今回はAI(人工知能)を活用し、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンや、ウィリアム・シェイクスピアなど、歴史上の人物の肖像画をリアルに再現するプロジェクトをご紹介したい。アメリカのグラフィック・アーティストであるネイサン・シプリー(Nathan Shipley)氏がInstagramに投稿し、海外を中心に話題を呼んでいるものだ。
ベートーヴェン(Instagramより)
ウィリアム・シェイクスピア(Instagramより)
マリー・アントワネット(Instagramより)
本プロジェクトでは、ベートーヴェンやシェイクスピア、マリー・アントワネットといった年百年前の歴史上の人物が、現代人のようにリアルに生まれ変わってしまう。肖像画ではないベートーヴェンはどうも迫力に欠ける。
ジョージ・ワシントンも再現!どれも見事な技術だ
ジョージ・ワシントン(Instagramより)
ヘンリー7世(Instagramより)
エリザベス1世(Instagramより)
「アメリカ合衆国建国の父」とも称されるアメリカの初代大統領であるジョージ・ワシントン、15世紀のテューダー朝初代のイングランド王およびアイルランド卿であるヘンリー7世、16世紀のイングランドおよびアイルランド女王であるエリザベス1世も、再現されている。どれも見事な技術と言える。
レンブラントの自画像が400年後にリアルに再現!
エドワード6世(Instagramより)
メアリー1世(Instagramより)
レンブラント・ファン・レイン(Instagramより)
16世紀におけるテューダー朝のイングランド王であるエドワード6世、16世紀のフランス国王ルイ12世の王妃であるメアリー・テューダー、『テュルプ博士の解剖学講義』や『夜警(フランス・バニング・コック隊長の市警団)』などの画家であるレンブラント・ファン・レインも、お手の物だ。レンブラントも自画像を描いたときには、この絵から約400年後にリアルに再現されるとは想像もしなかっただろう。
ワシントンはお札から復活「髪の毛のことは謝るよ」
100ドル紙幣から再現されたベンジャミン・フランクリン(Instagramより)
50ドル紙幣から再現されたユリシーズ・グラント(Instagramより)
20ドル紙幣から再現されたアンドリュー・ジャクソン(Instagramより)
1ドル紙幣から再現されたジョージ・ワシントン(Instagramより)
さらに、「アメリカ独立宣言」の起草者のひとりでもあるベンジャミン・フランクリン、アメリカ史上初の陸軍士官出身の大統領として知られるユリシーズ・グラント、第7代アメリカ合衆国大統領のアンドリュー・ジャクソン、さきほどの紹介したジョージ・ワシントンは、ドル紙幣からリアルに再現されている。
本プロジェクトを手がけるネイサン・シプリー氏はInstagramにおいて、ワシントンについて「髪の毛のことは謝るよ、ジョージ」とコメント。髪の毛をうまく表現できなかったことを後悔していると見られる。
サルバドール・ダリをAIで復活させるプロジェクトも
ネイサン・シプリー氏は、2019年にアメリカのフロリダ州にある「サルバドール・ダリ美術館」において、芸術家のサルバドール・ダリをAIで復活させる展覧会「Dali Lives」に協力したことで知られる。
今回のプロジェクトについて、ネイサン・シプリー氏は同AIでは人物を再現は可能だが、服を再現するトレーニングはしていないため、絵画からオリジナルの服をコピーしていると説明する。
ネイサン・シプリー氏はそれぞれの投稿に、AIで再現した歴史上の人物や肖像画について、簡単な説明を書き記している。
たとえば、ベートーヴェンの画像を投稿する際には「ベートーヴェンが50歳の時に描かれ、(ドイツのボンにある、ベートーヴェンに関する文化施設)ベートーヴェン・ハウスのコレクションの一部になっている」と解説する。
シェイクスピアの画像を投稿する際には「シェイクスピアの肖像画のなかで唯一、生身の人物から描かれたと主張できるシャンドスの肖像画を使っています」と説明している。
気になる人はネイサン・シプリー氏のInstagramアカウントを覗いてみては。
AIでディズニーのキャラを実写化! リアルなので見てほしい
Ledge.ai編集部の本コーナーでは、AIを活用した「すごい!」「おもしろそう!」といった画像変換技術をご紹介している。なかでも、過去にご紹介した『美女と野獣』や『アナと雪の女王』などに登場する、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの有名キャラクターたちを実写化するプロジェクト「In real life」は反響が大きかった。
気になる人は以下の記事をチェックしてほしい。
※記事のタイトルおよび表現を一部変更しました。(2月13日 22時30分)