NECと積水ハウスが連携 顔認証システムで部屋の施錠や来客の自動解錠が可能に

このエントリーをはてなブックマークに追加

画像はUnsplashより

日本電気株式会社(NEC)は8月9日、集合住宅における顔認証システムを活用した取り組みにおいて、積水ハウス株式会社と連携すると発表した。

2023年11月に完成予定の積水ハウスの分譲マンション「グランドメゾン溝の口の杜」でNECの顔認証システムを活用し、エントランスおよび玄関ドアの会場や共用施設の予約、サービスの事業者との協業によるサービスの提供を実施する。

顔認証でゲスト来訪時の自動解錠や、不在時の住戸前置き配なども対応

住宅には、鍵の置き忘れや紛失のリスクのほか、不在時に荷物が受け取れず再配達となる問題、外出時の子どもや高齢者の安否確認のニーズ、不在時の代行サービス利用のハードルなど、さまざまな不便や課題がある。

NECはこれらを解決すべく、同社の技術を活用した「次世代マンションサービス」を提供しており、グランドメゾン溝の口の杜では一部のサービスが導入される。

顔認証システムにより、集合住宅のエントランスおよび各住戸の玄関ドアの解錠、共用施設・備品の予約などを可能にするほか、サービス事業者とも協業し、ウォーターサーバー用ボトルの置き配をはじめとした生活に密接したサービスの提供も予定している。

居住者のエントランス・玄関ドアの解錠

マスクを装着したまま、非接触でエントランスと住戸が解錠できる。荷物などで両手が塞がっていてもスムーズに入館・入室でき、感染症対策としても有効。鍵を忘れたり紛失したりして自宅に入れないというリスクがなくなる。

共用施設の予約・解錠、共用備品の予約

共用施設(個室ブース)の予約・解錠および共用備品がアプリ上で予約可能。顔認証により、利便性の向上のほか鍵の返却忘れや紛失などのリスクがなくなり、セキュリティの向上にもつながる。

ゲストの入退登録

ゲストの顔情報をアプリで事前登録することで、ゲストがマンションを訪れた際に顔認証でスムーズに入室できる。なお、入室可能な時間や範囲も設定できるため、住居エリアへの不要な立ち入りを防止する。

家族の帰宅通知

誰が、いつ、入館・入室したかをスマートフォンのアプリに通知する。離れた場所からも、子どもなどの家族の帰宅を見守ることができる。

ウォーターサーバー用ボトルの置き配

ミネラルウォーターの製造・販売会社と協業し、顔認証を活用した合鍵共有機能でウォーターサーバー用ボトルを玄関前の置き配スペースに届ける。これにより、不在時の再配達を回避する。

今後は不在時の置き配や、自動販売機の決済なども対応予定

顔認証システムで、買い物や家事をはじめとした住まい手の生活の利便性を高めるため、両社は引き続きサービス事業者と協業して決済や配送、家事代行やクリーニングなどのさまざまなサービスの提供に向けた検証をしていくとしている。

今後の主な検証予定サービスは以下のとおり。

  • 居住者の不在時の置き配(連携先:宅配事業者、ネットスーパー)
  • 自動販売機の顔認証決済(連携先:飲料メーカー、小売事業者)
  • EV充電器の顔認証決済(連携先:エネルギー事業者)
  • 共用施設利用料の顔認証決済(連携先:決済代行事業者)

マンション向けの顔認証サービスは、NECの「次世代マンションサービス」以外にもDXYZ株式会社が提供する顔認証プラットフォーム「FreeiD(フリード)」、大和ライフネクスト株式会社が導入している「居住者セルフ登録式 顔認証エントランス解錠システム」などがある。

「FreeiD」はNECが提供する顔認証サービスと同じように、エントランスの入場、各戸への入室が可能。「One Time(鍵貸し)機能」もあり、FreeiDアプリを通じて家族や知人に⼀時的な⼊室権限を付与できるという。そのほか、メールBOX・宅配BOXの解錠やエレベーターの呼び出しも可能。

>>ニュースリリース