革命とロマンの国フランスで、AIを使った教育革命が起きそうだとの情報をキャッチしました。
9月から、ESGマネジメントスクールのオンラインプログラムに人工知能『Nestor』が導入しているんだとか。
なんでもオンライン授業に顔認識を導入して、生徒が集中しているかをチェックするとのこと。
オンラインだからって気を抜いてると痛い目にあう時代……
ちょっと怖い気もしますが、これから導入が進みそうなシステムなので紹介します。
世界の教育者から注目を浴びる『Nestor』
まずは動画をどうぞ。
動画で紹介されているAIを導入したことで教育へのメリットをまとめると、こんな感じ。
- 生徒の授業に対する集中力向上
- 物理的に対面せずに、生徒の反応を定量的に見れる
- 個人に合った指導が可能
- SNS上のデータを機械学習で応用可能
- 授業を欠席した生徒にオンライン授業を提供
メリットだけを眺めると、大したことないものに見えますが、実はこれって教育分野では革新的なことばかり。
例えば、オンライン授業への集中度の向上。今までのオンライン授業は、居眠りをしていてもバレなかったので、生徒の態度がどうであれ出席したことには変わりなかったわけです。
顔認識が導入されたらそういうズルはできなくなります。例えば、学生が寝そうになっていたら、AIが判別してアラームを出すことが出来ますしね。

*あくまでイメージ図です。
ここで注意しないといけないポイントがひとつ。それは、『Nestor』は生徒を監視して、勉強をさせるためのAIではない点です。注力しているのは、生徒が参加したくなるプログラムを作るための人工知能だってことなんです。
生徒だけじゃない。教授にもダメ出ししちゃう?
『Nestor』はパソコン用カメラを通して目の動き、表情の変化を分析するシステムを採用しています。このシステムにより、生徒が一定時間以上画面から目線を外したり、表情が固まったりしたことを検知できるんだとか。
集中力が切れたことを感知すると、AIが生徒に警告するわけではなく、もっと授業に夢中になれるよう、講義内容に関係するクイズを出して授業参加を促します。
生徒に負荷をかけすぎずに、勉強したくなるように工夫しているところがイイですね。
もう一つ特徴的なポイントとして、AIが教える側にもフィードバックする点です。生徒の集中が切れたポイントをAIが抽出し、講師陣に送ることで、『なぜそのタイミングで生徒の集中力が切れたのか』を分析できるようになるとか。おもしろいですよね。
これまでの授業では、生徒が具体的にどの話をしているときにどんな反応をしているかが測れずに感覚で振り返っていたと思います。
それが、定量的なデータがAIから供給されることで、講師が根拠を持って改善できるのは素晴らしいなあと感じました。
オンライン教育がトップ大学と肩を並べる日も近い?
今、世界中でオンライン教育のブームが起きています。
とりわけ発展途上国では子どもから大人までが、すき間時間や夜に学べるので、オンライン学習の受講者が急増しています。
オンライン学習プラットホーム自体も急速に増えていて、日本にいながらハーバード大学の授業を受けることができたり、ビジネススキルやプログラミングをオンラインで学習出来たりしますしね。
こういったオンラインプログラムに『Nestor』が導入されれば、さらに質の高い教育ができそうです。
それに、どの生徒が熱心に受講していて、受講頻度が低い生徒を管理出来るようになれば、オンライン教育の課題である、学習が続かない問題も解決しそうです。
『Nestor』は、オンラインだけでなく、実際の大学講義にも導入される予定なのだそう。教育×AIが当たり前になる未来はもうすぐそこまで来ているかもしれません。