マウス操作でAIを作れるソニーの「Neural Network Console」、大規模な開発が可能な分散学習に対応

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ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社は7月30日、同社が2017年より提供しているAI開発用GUIツール「Neural Network Console」に分散学習機能を追加したことを発表した。

Neural Network Consoleは、マウス操作で言語処理や画像認識など、ディープラーニングを用いた高度なAI開発を実現できるGUIツールだ。ブラウザー上で動作し、マウスによるドラッグ&ドロップなどの操作で設計・学習・評価可能だ。

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膨大な計算を可能にする分散学習環境をGUIツールで使える

さて、Neural Network Consoleが新機能として実装するのは、マルチノードによる分散学習環境だ。実装されるのはNeural Network Consoleにおけるクラウド版である。

Neural Network Console クラウド版では、これまでひとつの学習処理あたりで利用できる計算ノードは1台までだった。今回、マルチノードによる分散学習環境が提供されることにより、計算ノードは1、4、8、16台から選べるようになる。使えるGPUは従来と変わらずNVIDIA「TESLA V100 」だ。

Neural Network Consoleにおける分散学習機能の実装には、昨今のAI開発が長時間化していることが背景にある。

ディープラーニング技術を使うことで画像認識や音声認識の性能が飛躍的に上昇している。しかし、認識精度を向上させるには、学習データのサイズやモデルのパラメータ数が増加し、計算時間も大きく伸びている課題があった。

そこで、Neural Network Console クラウド版では分散学習を新機能として取り入れることで、AI開発者が抱える「開発の長時間化」という課題の解決を目指す。

分散学習における研究開発の知見が盛り込まれたサービス

ソニーは、産総研が2018年10月に実施した「ABCI グランドチャレンジ」にて当時世界最速となる学習速度を達成するなど、かねてより分散学習の研究開発に取り組んでいる。これらの知見をもとに、学習高速化のさまざまな技術をユーザーがGUIの形にし、誰もが大規模な分散学習を実現できるサービスとして提供するに至った。

分散学習を用いることで、大量のデータを用いた複雑な学習を実行する場合も、内容に応じてノード数を選択することで柔軟に処理性能の上限をコントロールできる。また、オンデマンドでクラウド環境のリソースを利用することで、一時的な計算環境構築のための費用削減とともに、柔軟な学習環境での効率的な開発が可能だ。

Neural Network Console クラウド版における分散学習の費用は下記となっている。

右下の枠囲まれた部分が新たに追加された分散学習を使った時の料金だ

また、同じくしてNeural Network Consoleで作成した学習済みモデルをAPIで公開する機能も追加されている。これまで学習済みモデルの実行においては実行者が実行環境を準備する必要があったが、APIで公開することでユーザーが実行環境を構築したり運用したりする必要がなくなる。そのため、クラウド上でモデルを手軽に実行できるようになる。

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