見通しの悪い交差点での接触事故を防止するAI 自動運転バスで活用、西日本鉄道ら

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西日本鉄道株式会社と西鉄バス北九州株式会社は10月8日、北九州エリアにおいて、中型自動運転バスの実証実験に取り組むことを発表した。本事業は、経済産業省・国土交通省の事業を受託した国立研究開発法人産業技術総合研究所より実証事業者に選定され、実施する。

本実証実験は、自動運転バスの社会実装に向け、必要な技術や事業環境等を整備することを目的に実施される。西日本鉄道は、実証事業者として自動運転バスの運行業務や関係機関との調整、検証項目の立案、試験走行を通じた各種検証などの役割を担っていく。なお、本実証実験は、2020年10月22日~11月29日の期間で実施される。

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西日本鉄道、交差点での安全性向上に向けて信号情報提供システムを導入

近年、多くのバス事業者が「バスの運転士不足」と「利用者減少にともなう採算悪化」という課題を抱えているという。そうしたなかで、自動運転バスは移動手段の確保やバス運転士の省人化、増便や運行時間帯の拡大など、バスの利便性向上につながるものと期待されているとのこと。

2020年2月に北九州エリアで実施したプレ実証実験では、小型の自動運転バスを使用し、天候や時間帯などさまざまな環境下における走行安全性や、信号交差点の安全・円滑な走行を目的とする「信号情報提供システム」の実用性などについて検証した。

今回の実証実験では、産業技術総合研究所が開発した中型サイズの自動運転バスを用いるとともに、自動走行の安全性および円滑性向上のため、新たに以下の取り組みを進めていく。

まず、「交差点の安全性」における取り組みでは運行区間(10.5キロ)のすべての信号(計10か所)に信号情報提供システムを導入する。10キロを超える全運行区間において信号情報と連携する実証実験としては日本最長距離という。また、そのうちの6か所にはクラウドを介さず、信号機側と車両側で直接通信する新たな方式(12V-P2P)を採用することで、信号情報伝達時間の短縮を目指していく。

さらに、見通しが悪い交差点に「危険情報提供システム」を導入する。カメラなど複数のセンサーを活用し、AIが画像処理と将来予測をすることで、交差点での接触事故を防止し、円滑な自動走行を支援する。ちなみに、これらのシステムを導入しての公道での実験は日本初とのこと。

そして、「走行の安定性」における取り組みでは、新たに高速道路ができたことにより、GPS電波が入りにくくなる区間に「磁気マーカー」を埋設し、車両位置認識精度を向上させ、自動走行を支援していくという。

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埼玉工業大学ら、水陸両用の自動運転バスの開発に向けて5Gなどを活用

将来予測や障害物の検知が可能なAIを活用することで、自動運転の精度向上につながる。

埼玉工業大学は2020年7月3日、ITbookテクノロジー株式会社とともに水陸両用バスの自動運転・運航システム構築に関する開発を開始したことを発表した。

水陸両用バスの自動運転・運航システムの開発では、埼玉工業大学の自動運転バスにも使われている「ジョイスティックロボカー技術」および自動運転ソフトウェアである「Autoware」がベースとなっている。

自動運転ソフトウェアのAutowareを活用することで、AIによる障害物の検知機能を強化し、複数のライダーやカメラの画像情報をディープラーニングにより周囲環境としてAIが認識し、障害物を回避した走行を可能にする。

実証実験では、離着水・離着桟における「位置推定および自動運行技術」、水上障害物の「検知および回避技術」、ローカル5Gなどを用いた「遠隔操作技術」を試す。なお、このプロジェクトの研究期間は2年間を予定しており、実用化に必要な技術を開発・研究し、5年後の実用化を目指して開発していく。