プログラミング不要のAI開発ツール登場、マウスで操作するだけ

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プログラマーもいない。データサイエンティストもいない。そもそも開発未経験だ。そんな組織でも、ボタン操作だけで独自の物体検知AIシステムを構築できるサービスがはじまった。

株式会社ヒューマノーム研究所は2月18日、「Humanome Eyes Workstation(ヒューマノーム・アイズ・ワークステーション)」の販売開始を発表した。ヒューマノーム・アイズ・ワークステーションは、プログラムを1行も書くことなくボタン操作で開発可能なプラットフォームだ。

本製品は、専門人材の育成や開発の外注前に、まずは自分たちでトライアルAIを作って試すことで「今、本当に欲しいAI」を見極めて本格開発に移りたい企業向けとなっている。

>>「Humanome Eyes Workstation

AI作成への第一歩を後押しする統合システム

プレスリリースによると、人工知能開発に適した高性能ハードウェアに、AI学習環境とプログラミング不要なアノテーションツールをセットアップ。ツールを受け取ったその日から物体検知AIの開発に専念できる環境になるそうだ。

AIの導入にはハードルが多く存在している。同プレスリリースでも

「『AI開発の課題設定をどうするか』『どんなデータを集めるべきか』といった実際の構築前に決定すべき設定や、『AI開発に必要なコンピュータの組み方がわからない』『ハードウェアの設定が出来るエンジニアがいない』というハードウェアに関連する課題、また『どのようなアノテーションを作ればよいのかわからない』『想定のパフォーマンスが出ない』など、実際に作りはじめてから見える問題など、さまざまなレイヤーの障壁を乗り越える必要がある」

と記されている。

Humanome Eyes Workstationでは、こういった頻繁に遭遇するハードルに着目し、つまずくポイントをあらかじめ取り除いているという。

また、別途オプションにはなるものの、ヒューマノーム研究所が今までの研究・共同開発で培ったノウハウをもとに、質問や疑問に応えるコンサルティングサービス、ならびにユーザーの要望に応じた追加機能の独自開発サービスも提供されるとのこと。

実際のAI構築に触れられ、データサイエンスや開発における流れをつかめることから、AI教育用途としての利用もできるそう。

学生向けの「AIに関する授業」も始まっている

2020年度からプログラミング学習が必修化されることもあり、中学や高校などでもAIに関する授業が始まっている。

今年1月には、大妻中学高等学校で「次世代のAI人材育成」をテーマとしてヒューマンアカデミー株式会社と日本郵便株式会社が共同で授業を実施した。

授業の内容は、社会問題の解決と、AIの利用を学ぶことが中心。また、Pythonを使用したAIアプリの開発にも挑戦したそうだ。

AIの開発が手軽になれば、一層身近な存在になることは間違いない。プログラミング不要なので、プログラミングそのものへの学習時間をすっ飛ばせるのはいいことなのかもしれない。

2020年はHumanome Eyes Workstationのようなお手軽AI開発ツールがさらに登場しそうだ。

>>「Humanome Eyes Workstation