NVIDIA(エヌビディア)が主催する同社最大級のカンファレンスイベント「NVIDIA GTC(以下、GTC)」が、2021年11月8日(月)から11日(木)まで開催する。
本カンファレンスは、AIやディープラーニングに関する最新情報や、各国の成功事例など、数々のセッションや技術トレーニングが用意されている。セッションの数は500を超え、NVIDIAのエキスパートたちをはじめとする、グローバルで活躍している研究者や、日本発のDXで業界を牽引するビジネスリーダーなどによる講演が予定されている。
参加費は無料。AIやDXの最新事例を知りたい方はもちろん、IT業界全体においても非常に注目を集めるイベントなので、ぜひともチェックしてほしい。
本稿では、エヌビディア合同会社 シニア ソリューション アーキテクト 佐々木 邦暢氏に今回のNVIDIA GTCの見どころを聞いた。
技術者以外の非エンジニア層も楽しめるセッション群
AI業界で先端技術について情報を追っている人なら、GTCの存在は説明するまでもないビッグイベントということはご存知だろう。だが、「GTCって何……?」という方向けに、まず本稿ではGTCの紹介をしたい。
GTCとは、NVIDIAが以前より開催しているカンファレンスイベントだ。本取材に応えてくれた佐々木氏も「NVIDIAのなかで最も大事なイベント」と言うほどの内容で、本稿冒頭で触れたように500以上のさまざまなセッションが用意されている。
もともとGTCは、かなりテクニカルな内容が多く、どちらかといえば視聴ターゲットは技術者寄りだった。しかし、最近のGTCではビジネス寄りの内容も豊富になっており、世界各国でのAIやDXの成功事例、日本の視聴者に向けたセッションなども多数用意されているため、先端技術について知りたい方だけでなく、より幅広いユーザーも楽しめるプログラム構成になっている。
余談にはなるが、今年4月に開催したGTCでは、NVIDIAの創業者/CEO ジェンスン・フアン氏による基調講演の一部がフルCGだったと明かされ、話題になったことは記憶に新しい。
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NVIDIAの創業者/CEO ジェンスン・フアン氏。上記画像は今年4月のGTCでの基調講演……なのだが、実はフルCGだったそうだ
基調講演は必見 日本向けのDX関連のセッションもオススメ
GTCには500以上もセッションがあるなら何を見ればいいのか……と迷う人も多いはず。そこで佐々木氏に、絶対に視聴するべきセッションは何か聞いてみた。
「まず、11月9日(火)17時から(日本時間)実施するNVIDIA CEOのジェンスン・フアンの基調講演は絶対に視聴してほしいですね。この取材時点では内容はお伝えできませんが、驚くような内容の発表はもちろん、世界が直面する難題を解決するための新しい提案など、視聴される方が興味をもっていただけるような情報が盛りだくさんになっています。
また、11月10日(水)11時から(日本時間)開始する、日本のものづくりをリードする武蔵精密工業 大塚社長とNVIDIA 井﨑のセッションも視聴いただきたいです。DXに成功する企業とそうでない企業の違いなど、DX成功企業の組織像/経営者像に迫る内容です」
今回のGTCで視聴できる日本向けのセッション登壇者の一例
実はこれまでのGTCと異なり、ジェンスン・フアン氏の基調講演などは、日本の視聴者が視聴しやすい時間に放映開始し、日本語字幕付きで視聴できる。そのため、これまでは夜中や明け方に注目セッションがあった場合は夜更かし/早起きが必要だったが、今回はそのような必要はなさそうだ。
これらのほかにも、日本向けのセッションは20近くも用意されているとのこと。春に開催したGTC同様に、「DXの成功事例」「なぜDXを取り組まなければならないのか」「DXやAI人材の育成はどうすればいいのか」など、多くの企業が現在進行形で直面している課題を解決するセッションがあるそうで、まさにビジネス寄りの方でも楽しめる構成になっている。
AIは先端技術ではなく最新技術/先端事例に置き換わった
直近1,2年のGTCの内容は、従来とは打って変わってビジネス寄りのセッションが豊富になっていることは、先に述べたとおりだ。ではなぜ、ビジネスサイドの人でも楽しめる内容を取り扱うようになったのか。
「以前のGTCでは、技術的な話が多かったのは事実です。しかし、最近では先に紹介したような技術者以外の方も視聴いただけるセッションが増えています。この理由は、AIなどのテクノロジーが“先端技術”ではなく、最新技術/先端事例に置き換わりつつあるからです。
数年前は、AIやディープラーニングなどのトピックは先端技術のひとつでした。しかし、最近では多くの方にとってもAIは身近なモノになっています。
私たちは『AIの民主化』を掲げていることもあり、この世界的なAIやDXへの興味関心は非常にうれしいです。そのため、GTCでは非エンジニアの方でも視聴しやすいセッションを用意することで、さらに裾野を広げるようにしました」
もちろん、GTCでは専門的な内容のセッションが大半を占めるが、世界的なムーブメントに合わせて多くの人にインパクトを与えるセッションを用意しているとのこと。
参加者同士から生まれる新たな出会いや気づき
それでは本稿の最後に、佐々木氏に対して「GTCはどのように楽しめばいいのか」と質問をぶつけた。
「GTCでは、海外の最先端の技術事例や取り組みに関しての知見を得られたり、CEOのジェンスン・フアンの基調講演は見ごたえがあったりと、オススメしたい点は本当にたくさんあります。また、今回のGTCは『GTC Japan』ではなく、本国主催の“本家GTC”ではありますが、日本向けの独自のコンテンツが豊富なのも特徴のひとつです。そのため、AIやDXの活用など、多くの方にとってタメになるセッションが目白押しになっています
また、これまでのGTCでは、セッションの視聴だけでなく『参加者同士のつながり』がとても活発な場としての側面もありました。オフラインでGTCを開催していた当時は、セッションの合間に参加者同士で最新技術について議論が繰り広げられたり、『NVIDIAの人に直接話を聞いてみようコーナー』的なものもあったりと、密な交流が盛んでした。最新の技術について情報を得られるイベントには最新の情報を追う人ばかりが参加するので、とてつもない相乗効果を生み出しやすいのも興味深い点です。
我々NVIDIAとしては、このような横のつながりを創れることはとても重要視しています。新たな出会いの場としてはもちろんですが、気づきを得られることは非常に大切です。そこで、オンラインでの開催となる今回のGTCでも、オンライン上でほかの参加者とつながれるような施策を取り入れます。
新たな情報や、世界各国の最新の取り組みなど、GTCでしか視聴できないセッションばかりなので、技術者の方はもちろん、ビジネス層の方もぜひとも視聴してみてください」
開催概要
日 時 :2021年11月8日(月)~11月11日(木)
名 称 :NVIDIA GTC(GPU Technology Conference)
開催方法 :オンライン
主 催 :NVIDIA
参加費 :無料(事前登録制)