沖電気工業株式会社(OKI)は2月15日、大成建設株式会社と共同で、建設現場における作業の生産性を大幅に向上させる情報一元管理システム「T-Communication」を開発したことを発表した。
本システムは、作業者の会話や写真を含む現場の情報をタブレットなどのスマートデバイスを用いてデジタル情報として整理し、自動で帳票を作成して、関係者全体の共有情報にできる。デジタル機器の操作に不慣れな現場作業者にも使いやすい操作性を実現し、2022年4月に竣工予定のOKI本庄工場H1棟をはじめ、大成建設の建設現場10カか所で本システムを検証し、導入効果を確認したという。
建設現場では従来、安全・品質などに関する書類作成に多くの時間と労力がかかり、その時間短縮やデータ処理などの管理業務の効率化が課題となっていた。その対策として、スマートデバイスで各種情報を自動帳票化する技術も導入してきたが、多機能で複雑な操作が必要なシステムが多く、シンプルでかんたんな操作性を持った仕組みが求められていた。
本システムは、スマートデバイスによる各種情報の整理や自動帳票化とその共有・一元管理を、デジタル機器操作に不慣れな現場作業者にも使いやすい、ワンプッシュ操作などのかんたんな操作で実現する。さまざま作業環境から相互に共有・交換したデジタル情報を作業ごとに整理できるほか、個別情報シートや時系列ごとの一覧表などを自動帳票化し、関係者全体で共有するなど、管理業務の効率化に貢献する。
本システムの特徴として、次の4つがあげられる。
- デジタルデータから個別情報を自動帳票化
- 作業進捗状況をリアルタイムに確認
- 操作性を大幅に向上
- さまざまな作業環境に適用可能
建設現場などのさまざまな作業環境において、スマートデバイスを用いて関係者間で取り交わされたデジタルデータをもとに、作業ごとに個別情報シートなどの帳票を自動作成する。これらの情報を時系列で整理して記録し、エビデンスとして活用できる。
関係者全員が一覧表を通して作業の進捗状況をリアルタイムに確認できる。従来の手書きによる情報の受け渡しや作業終了後の帳簿作成など手間がかかる帳票データ作成に関する業務がすべて自動で実施できる。
個別情報シートや一覧表などを自動作成する際にはワンプッシュ操作や音声入力など、単純ですぐに対応できる方法を採用して操作性を大幅に向上させた。デジタル機器操作に慣れていない現場作業者にも使いやすいかんたんな仕様としている。
職種に関わらず、さまざまな作業環境に適用できる。例えば、離れた場所からの施設管理やメンテナンス業務に関するやりとりなどにも効果的に使用できる。
OKIは引き続き大成建設の建設現場約50カ所で実施する追加実証実験で得られるデータをもとに、建設現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)に寄与する取り組みを加速するとしている。
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