マイクロソフトとFacebookによる共同プロジェクト「ONNX(Open Neural Network Exchange)」に日本が誇るAIスタートアップPreferred NetworksのChainerが参加することが発表されました。
ONNX自体は、異なるディープラーニングフレームワーク間でAIモデルの相互運用性の実現を図る取り組み。つまりフレームワークごとに違うデータ形式を使うのではなく、互換性を担保して、もっとこの業界盛り上げていこう的な動きです。
マイクロソフトとPFNのいままでの取り組みについて
2017年5月23日に発表された、「Preferred Networksとマイクロソフト、ディープラーニングソリューション分野で戦略的協業」というニュース。
もともと、両社の提携は、
- テクノロジー分野
- 人材育成
- マーケティング分野
の三軸での連携を目指したものです。
今回はその中でもテクノロジー分野の協業のひとつという位置づけです。
ONNXでAI業界はもっと盛り上がるか
グローバルで展開しているONNXに日本の企業が入ったというだけでも大きなニュースですが、この取り組み自体は大きな意義があります。
現在、各フレームワークで使われるAIが学習したデータ形式(学習済みモデル)が異なるので、同じAIを使いまわしたい場合もフレームワークごとにデータを変換する必要がありました。しかし今後は、WindowsマシンのCNTKからLinuxマシン上のChainerへ共有する、といったような環境間での引き渡しもスムーズになるでしょう。
こうした障害が取り払われることで、研究のスピードもさらに向上するかもしれませんね。
日本での普及率も高いChainerがこの取り組みに参加するということで、CTNKやChainer、Caffe2などで互換性が担保される方向に動くことになります。
Tensorflowなどもこの取り組みに参加してくれると、業界が大きく動く感じがしますが……。そこは今後の動向を見守りたいと思います。
大手のこういった取り組みはなかなかうまく進まないことも正直あるとは思うのですが、こういったプロジェクトがちゃんと機能することによって、業界自体がもっと盛り上がっていけばいいですね。
イベントや教育観点でも協業している、マイクロソフトとPFN。今後も両社の取り組みに注目していきたいと思います。