新型コロナに関する電話問い合わせをAIとFAQで99.5%削減した大阪府、NECとスマートシティ推進へ

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大阪府とNECは7月21日、事業連携協定を締結したと発表。この目的は、新型コロナウイルス感染症の第二波に備えたスマートシティの推進だ。

大阪府では2020年4月にスマートシティ戦略部を設立しており、ICTの活用による府民の利便性向上に取り組んでいる。くわえて、新型コロナウイルス感染症の第二波に備え、医療・教育・商工等の行政分野において対応力の強化を図ることを目的に、新しい生活様式の実践に向けてICT企業や団体との連携を進めている。

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チャットボットが「コロナ追跡システム」への問い合わせに対応

大阪府では、ウイルスとの“共存”を前提に、感染拡大の抑制と社会経済活動の維持の両立を目的に、「大阪コロナ追跡システム」を構築した。

画像は大阪府「大阪コロナ追跡システム」から

大阪コロナ追跡システムでは、不特定多数の人が集まる施設やイベントを対象に、二次元バーコードを活用して感染者との接触の可能性がある利用者にメールで注意喚起したり、行動変容を促したりしている。あわせて、クラスターの発生の可能性を早期感知することで、感染拡大の防止を図っている。

そしてNECは、同社のAIチャットボット「NEC自動応答」を用いることで、大阪コロナ追跡システムに関する府民からの問い合わせ対応を自動化させた。NECが提供したAIチャットボットは、スマートフォンやパソコンなどから相談できるチャット形式の自動応答サービスであり、時間や場所問わず手軽に問い合わせできるのが特徴だ。

大阪府とNECは、AIチャットボットと大阪府ホームページのFAQを組み合わせることで、府民からの電話問い合わせを99.5%削減し、大阪府のコールセンターの人手の最小化に成功した。今後、AIが学習するデータを蓄積することで、大阪府は府庁全体のさらなる業務改善への活用を期待している。

大阪府とNECとの事業連携協定では、先に挙げたAIおよびAIチャットボットによる職員の業務改善や府民へのサービス向上はもちろんのこと、データ利活用やデジタルトランスフォーメーション(DX)に関するセミナーの開催を掲げている。

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官公庁で進むAIの導入 青森県では会議録作成で活用

大阪府同様に、AIを活用して職員の業務改善およびサービスの向上を目指すのが青森県庁だ。

青森県庁では2019年11月から、株式会社イグアスが販売するクラウド型AI会議録作成支援ソリューション「AI Minutes for Enterprise」(以下、AIM)を試験導入している。

AI会議録のAIMでは、IBM WatsonのSpeech to Textの機能により自然言語を処理し、マイクを通じて話者の言葉をリアルタイムにテキスト化できる。さらに、編集クライアントによって、文字起こしされた原稿を複数人で編集可能なのも特徴。これらの機能を使えば、会議録の作成に費やしていた時間を大幅に削減可能だ。

青森県庁では1時間の会議でも会議録の作成には5,6時間かかっていた課題があった。そこでAIMを導入することで、職員の会議録作成業務の負担軽減を狙っていた。

青森県庁では大阪府同様にICTを業務改革のために導入している。しかし、AIMのような製品の導入は初めてだったという。そこで、青森県庁の担当者が実際にAIMを試したところ、リアルタイムで文字に変換され、しかもその認識精度が非常に高いことを目の当たりにした。くわえて、学習の容易さから今後の使い勝手の良さも実感した。試験導入に至る決め手は「業務改善の実感しやすさ」だったそうだ。

Ledge.ai編集部では、2020年5月に青森県庁に対してAIMの導入について取材しているので、合わせて読んでほしい。