目指すはアパレル業界のプラットフォーム。すべてのクローゼットにカスタムシャツを届けるOriginal Stitchの野望

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シリコンバレー発のオンラインカスタムシャツブランドOriginal Stitch。オーダーメイドの未来を変えるような画期的なツールを提供しています。

今回はOriginal Stitchが提供するサービスの詳しい話を、Original Stitch CEOのJin Kohさんと、日本法人 ゼネラルマネージャーの上垣賢司さんのお二人に伺ってきました。





10億通りのデザインを可能にするオンラインカスタムシャツブランド「Original Stitch」

――さっそくですが、「Original Stitch」のサービスを始められた経緯を教えていただけますか?

――Jin
「Original Stitchは“すべてのクローゼットにオーダーメイドシャツを”というビジョンを核に、オーダーメイドシャツのオンライン販売を展開しています。

元々はシリコンバレーのエンジニアたちの“服を買いにいくことが面倒だ”、という思いに需要を見出したところからはじまりました。」

確かに服を買いに行くことって面倒だったりしますよね。お気に入りのものに出会えても、サイズが合わなかったりすることも。

――上垣 
「そうしたエンジニアたちがシャツを効率的に選ぶ助けになるツールとして開発したものが、StyleBotなんです。

実は、Stylebotをダウンロードしたユーザーの約60%がOriginal Stitchにユーザー登録しており、このコンバージョン率はeコマースの世界ではものすごく高い数字なんです。」

アプリダウンロードしたユーザーの60%が登録に至っているとは、ものすごい数字です。

Stylebotでは、どんなシャツが自分に似合うのか分からないユーザーに対して、10億通りの組み合わせの中から最適なものをレコメンドします。Bodygramによる簡単な採寸方法も提供していますし、組み合わせれば相当便利。
*現在、Bodygramはアップデート中のため、2018年中を目処に再ローンチ予定

気になるのは、その便利さにAIはどう関係してくるのか。Original Stitchでは、どのような仕組みでAIが活用されているのでしょうか?

年齢から人種まで識別?顧客満足度を高めるテクノロジーの裏側

――「StyleBot」と「Bodygram」使わせていただきました。これはどういった仕組みで、AIはどういった形で実装されているのでしょうか?

――Jin
「私たちは画像認識技術を用いたアプリとしてStyleBotを提供しています。ユーザーの顔と手首の写真をアップするだけで、その人に似合うシャツをレコメンドできます。

このアルゴリズムのベースはTensorflowの機械学習によるもの。StyleBotはOpenCVPantoneで顔の特徴や肌の色を検知し、“The Science of Beauty”という書籍の情報をアルゴリズムに加えることによって、ユーザーに合う色、デザイン、形を自動的に選ぶことが可能なんです。」

なるほど、OpenCVといえばインテルがオープンソース化しているコンピュータビジョン向けのライブラリ。それと、Pantoneの色評価ツールで色を認識しているというわけですね。

そして“The Science of Beauty”という書籍に準じて、どのような色がどのような特徴の人に似合うのかをAIが判断しているということだそう。

このStylebotの裏側では、実は複数の技術が使われていたんですね。

――上垣 
「Bodygramには人間にプロットされた、5000もの写真の初期データセットがあり、それを機械学習技術を用いて新たな写真をプロットできるように学習させます。

この過程で人間がエラーを調整することで、それを学習し機械学習の精度が向上していきます。」

実際にシャツの首回りや裄丈、袖丈、袖幅などなど、一つ一つ測ると非常に面倒。それを写真一つで、簡単に済んでしまうとはすごい技術です。

こうした写真一枚で採寸できる技術は、今後どんなブランドでも需要が生まれてくるのではないでしょうか?

目指すのはアパレル業界のプラットフォーム。オーダーメイドが当たり前の時代に

――今後の展望をお聞かせください。

――Jin
「アパレル業界は将来的に、オーダーメイドが主流になっていくと考えています。オーダーメイドが主流になれば、店頭でサイズが合う合わないということもなく、お客様に最適な服が提供できます。

その来たる時代をサポートする、先駆的なビジネスを展開したいと考えています。」

今後時代が劇的に変わり、自分に合う服をインターネットで簡単にオーダーメイドできるようになるということですね。
Orignal Stitchが提供するツールは、AIによるパーソナライズ化のツールの一つとして非常に優秀だと感じました。具体的にはどういったビジネス展開をしていくのでしょう。

――Jin
「私たちの事業の核は、このOriginal Stitchをプラットフォームとして世界中のあらゆるブランドが使えるようにすることです。

Original Stitchという今あるカスタムシャツのブランドは、あくまで1つのケースにすぎません。今年からたくさんのブランドとパートナーシップを結んでいき、このプラットフォームを拡大していきます。

これが私たちが掲げる、“すべてのクローゼットにカスタムシャツを”というビジョンを最短距離で達成することができる方法だと考えています。」

スマートフォンでたとえるなら、iPhoneのiOSを作ったAppleというよりも、あらゆる機種に対応するAndroid OSを作ったGoogleを目指す。そんなプラットフォームビジネスを、アパレル業界で展開するというのがOriginal Stitchの野望だそう。

ブランド自体、いわゆるハードで圧倒的シェアをとっていくのではなく、ソフトをたくさんのブランドに提供していくということでですね。AIを含むテクノロジーを活用し、アパレルブランドに価値を提供していくOriginal Stitchに、今後も注目していきたいです。

Jinさん、上垣さん貴重なお話ありがとうございました。