出典:https://www.preferred-networks.jp/ja/news/pr20190226
AIや労働力不足によって一躍注目を浴び、急成長を続けているロボティクス業界。そんな業界で、開発サイクルを最速化しようとしているスタートアップがPreferred Networksです。
日本唯一のユニコーン企業「Preferred Networks」の新たな施策
ロボット向けハードウェアの開発には、コンピュータ上のシミュレーションと実機の動作環境は異なるため、迅速な試作と検証と改良が求められます。
この一連の流れを高速化すべく、株式会社Preferred Networksが本社のある東京・大手町にラピッドプロトタイピング環境、「メカノ工房」を開設しました。これにより、ソフトウェアとハードウェア両面からロボット関連の研究開発を進め、新しい技術の実用化を加速させます。
Preferred Networksは、日本経済新聞による「NEXTユニコーン調査」で、首位に立っていることで注目を浴びています。
同社は機械学習、深層学習技術を実世界に応用することを目指し、オープンソースの深層学習フレームワーク「Chainer」や、深層学習に特化したプロセッサー「MN-Core」の研究開発を行っています。注力事業の一つであるロボティクス分野では、工作機械・ロボットの知能化や、全自動お片付けロボットシステムなどのパーソナルロボットの実用化を進めています。
開発サイクル高速化。さらに新たな技術革新も
出典:https://www.preferred-networks.jp/ja/news/pr20190226
日本学術会議の機械工学委員会によると、従来のロボット開発の典型例は、目標に向け計画通りに進め、要素技術開発、統合システム開発、実証実験で終了というものだった。
しかし従来の方式では、
- ロボットの動作や機能は利用者や環境状態との組み合わせで決まる
- 利用者の振る舞いや環境状態は動的に変化するため、それに漏れなく対応可能な統合と要素が必要となる
といった要素に対応できていないため、実社会で人間の多様なニーズに応えるロボットの特性には適合していませんでした。
これを実現するには、現場での利用とそれに基づく改良や開発のサイクルを繰り返す必要でした。そのサイクルを開発段階で高速化するのが「メカノ工房」です。
さらに、ソフトウェアエンジニアとハードウェアエンジニアがお互いの領域を身近に学びあえる環境を整えることで、新たな技術革新に繋げる狙いもあります。そうすることで、ソフトウェアとハードウェア双方の進化を推進し、新しい技術の実用化を加速していきます。
Preferred Networksの「メカノ工房」を皮切りに、他の企業でもソフトウェアとハードウェア双方の進化を促進させる新しい施策が生まれるのではないでしょうか? メカノ工房をきっかけに、日本のAI・ロボティクス産業に追い風が吹くことに期待です。