PFN、小学生向けプログラミング教材を提供へ やる気スイッチグループと提携

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株式会社Preferred Networks(以下PFN)は7月6日、コンピュータサイエンス教育事業への参入を発表した。

第1弾として、小学生向けのプログラミング教材「Playgram(プレイグラム)」を、やる気スイッチグループと提携し、2020年8月からプログラミング教室パッケージとして首都圏の3教室での対面授業および家庭でのオンライン授業に順次導入する。

PFN開発の学習体験×やる気を引き出す指導メソッド

Playgramは、アメリカのコンピュータサイエンス教育のガイドラインである「K-12 Computer Science Framework」を参考にしたプログラミング教材として、AI技術開発の第一線で活躍するPFNのエンジニアが開発した。

「楽しみながら学ぶ」、「創造力を働かせて作る」というPlaygramでの学習体験と、やる気スイッチグループが培ってきた子どものやる気を引き出す指導メソッドを組み合わせ、子どもが将来のアプリケーション開発に生かせるスキル、課題解決力、自由な創造力を身につけることを目指す。

また、将来的には子どもたちの学習の様子や成果を見ながら追加コンテンツの開発を進め、PlaygramをAR、IoT、AIなども組み込んだプログラミング教育のプラットフォームに育てていく意向も示した。

プログラミングで3Dグラフィックのロボットを動かす

Playgramの特徴は以下の通り。

  1. プログラミングの基礎から実践的なテキストコーディングまで
    ビジュアルプログラミングから始め、タイピング、プログラミングの基礎、Pythonによるテキストコーディングまで、子どもの理解度と意欲に応じて段階的に学習を進められる

  2. 自由度と表現力のある3Dグラフィックを採用
    ゲームやARに欠かせない3Dグラフィックを採用。ロボットを動かしたり空を飛んだり、プログラミングを駆使して課題解決するおもしろさを体感しながら、自由な表現力、空間認識能力を身につけられる

  3. 学習最適化機能と充実の解説機能
    学習データから一人ひとりの得意や苦手分野を見抜き、学習状況を「見える化」してリアルタイムで共有。進捗に応じた最適な学びをカスタマイズできる。プログラミング経験のない講師・保護者でも学習指導が可能

人材が「自ら育つ」環境をつくる

PFNのフェローである丸山宏氏と代表の西川徹氏は本発表会で、企業におけるIT人材に求められる役割が、与えられた問題を解くことから正解のない問題を解くことに変化していることを踏まえ、次世代のIT人材があらゆる産業をつなる「のり」のような役割を果たしていくと説明した。

そのうえで、小学校でのプログラミング教育の義務化を踏まえ、小学生が持つ可能性について強調した。

――丸山
「IT人材は、伝統的な企業で求められる正解のある問題を解く人材と、スタートアップにおける自律的に問題を解決できる次世代の人材に二極化しています。次世代のIT人材育成には、『育てる』という意識ではなく『自ら育つ環境』をつくり、自由度を与えることが必要です
――西川
「プログラミングの義務教育化によって、学ぶことが義務っぽくなっては子どもがクリエイティビティを失うのではという危惧がありました。プログラミングとは本来、周りをびっくりさせるワクワク感のあるものです。弊社にはプログラミングに没頭し、プログラミング本来の楽しみを伝えられるメンバーがそろっており、子どもの才能を際限なく伸ばしていけると思いました」

PFNの教育分野での貢献

PFNはこれまでも、社会人、医療従事者、大学生、高校生、小学生などを対象として、以下のようなAI技術の教育コンテンツを無償で提供してきた。

  • 大学・大学院・社会人向け
    ディープラーニング入門 Chainerチュートリアル
    数学の基礎、確率・統計の基礎、プログラミング言語 Python の基礎から、機械学習・深層学習の理論の基礎とコーディングまでを丁寧に幅広く解説したオンライン教材。社会人の自習や、大学・大学院での講義資料として無料公開。

    日本メディカルAI学会公認資格:メディカルAI専門コース オンライン講義資料
    大学生、大学院生、医療従事者向けに、医療で人工知能技術を扱う際に最低限必要な知識を学ぶための無料のオンライン教材。数学、確率・統計や Python の基礎知識を前提として、深層学習を速習、さらに健康・医療における応用事例までをカバー。

  • 高校・高専・大学学部向け
    実践! Chainerとロボットで学ぶディープラーニング(スライドGitHub
    Raspberry Pi上で訓練(学習)からレゴ マインドストームEV3の制御までを行うワークショップ型教材。大学・高専などにおけるハンズオン形式の授業向けに無料公開。

  • 初等教育向け
    文部科学省「未来の学び」自動化の進展とそれに伴う自分たちの生活の変化を考えよう
    プログラミング教育推進月間の協力企業として、初等教育向けの深層学習体験教材を提供。最新技術の紹介ビデオ、深層学習で「火星語ほんやく機」を作るハンズオン、自動化によって変わる社会を考えるスライドからなる。全国33校の小学校の「総合」の授業で利用された。

今回PFNは、コンピュータサイエンス教育を事業化することで、継続的に開発リソースを確保し、より品質の高いコンテンツを開発するという。