無表情を笑顔に、AIで誰でも簡単にプロレベルの写真加工ができる時代に

AI
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Thumb-nail Photo by ©︎Adobe Blog

スマートフォンアプリの写真加工技術が普及した現代では、風景から人物まで、そこに写っているものが本物だとは限らない。そして最近では、AIが自動で「いい感じの写真」にしてくれるソフトウェアまで登場した。曇り空を晴天に、夕日の写真を星空の写真に、ボタン1つで加工できる。

今回はそのなかでも人気のある、老舗のAdobe Photoshopと新進気鋭のLuminar、それぞれのAI機能を見てみたいと思う。

不動の写真加工ソフト「Photoshop」

©︎Adobe

概要
Photoshopは写真の編集や合成から、デジタルペインティング、アニメーション、グラフィックデザインまでを可能にするAdobe社が提供するソフトウェアツールだ。

1989年から提供を開始している同ツールは、世界中のフォトグラファーやデザイナーに活用されている。以前はパッケージ買い切り制の商品だったが、2012年にAdobe Creative Cloudを発表して以降、月額課金制の商品となった。

機能
「Adobe Sensei」
Adobe Senseiは具体的な機能・サービス名ではなく、Adobe製品サービスに共通して適用されるAI技術とマシンラーニング(機械学習)を組み合わせたテクノロジーの総称だ。

「AI(人工知能)機能」
2020年10月、Photoshopは5つの新しい機能を追加した。

  • 「ニューラルフィルター」
  • 「空を置き換え」
  • 「もっと知る」
  • 「髪の毛を調整」
  • 「オブジェクトに応じた境界線調整モード」

ニューラルフィルターは、人物の年齢・表情・ポーズ・色味などを変更可能で、今までの加工工程を一気に短縮することが期待されている。今までデザイナーが手作業でしていた肌の調整も、細かいディテールを保持したまま補正することが可能になった。

©︎Adobe Blog

空を置き換えする機能は、元の写真から空と物体の境界線を自動で検出し、空を丸ごと別の空に置き換えることが可能だ。実際にやってみた写真を見ると、雰囲気がガラッと変わるのが確認できる。異なる背景を当てはめることで、印象を変えるだけではなく、構図のシミュレーションにも活用できるだろう。

©︎Adobe Blog

もっと知る機能は、AIがユーザーの使用頻度に応じて、知りたがっているであろう機能やヒントをレコメンドしたり、よく使う機能をクイックアクションとして登録したりしてくれる機能だ。AIのアシスタントのようなものだと考えれば良いだろう。

髪の毛を調整、オブジェクトに応じた境界線調整モードは、今までデザイナーが細かく調節をしていた境界線をAIが自動で判定してくれる機能だ。特に髪の毛の境界線選択は細かい調整が必要で、どこまでこだわるかは人によって千差万別であったが、AIによって大幅な効率化がされた模様だ。

AIの効率化によって余った時間でよりクリエイティブな作業に当てることができる。理想的なAIとの共存だと感じた。

新進気鋭の写真加工ソフト「Luminar」

©︎Luminar

概要
当初はmacOS専用に開発されていたMacphun社による買い切り制のスタンドアロン型ソフトウェアで、Adobe製品のプラグインとしても活用できる。2016年11月に初代Luminarをローンチして以降、2017年にはWindowsPC版Luminar 2018を展開、同時に社名をSkylum社に変更した。2020年12月現在は2019年にローンチされたLuminar 4が最新版であり、2020年12月15日にはAIを完全搭載した初の画像編集ソフト「LuminarAI」を発売。AIによる自動補正などで注目を集めている。

機能
「AIエンハンサー」
LuminarのAI補正は、顔の細かい調整に向いている。調整可能項目がとても多く、輪郭調整、肌の補正、くま除去、目の明るさ・鮮明化、目のサイズ・細めた目の調整、眉の太さ調整、唇の色調整、歯の明るさなどなど、控えめプリクラのようなソフトだ。

自動でAIがいい感じにしてくれる機能もあり、初心者でも数クリックで編集可能なシンプルなUI設計になっている。

「オーグメンテッドツール」
この機能では、背景に大きな月や花火など、雰囲気をガラリと変える合成画像スタンプのようなものがある。とても自然に合成できるこの機能では、AIが自動で物体を認識し、物体の後ろに合成画像を映してくれる。

©︎Luminar

©︎Luminar

特にLuminarはAdobeのプラグインとしても活用できるため、LuminarとPhotoshopのAIを使い分けて編集するということも可能だ。

今回は2つのソフトウェアを紹介したが、画像領域におけるAI技術とマシンラーニング(機械学習)は、今後もさらに人々のクリエイティブな仕事をサポートしてくれる存在となってくるだろう。今後どのような人間とAIが協力した作品が出てくるかとても楽しみである。

他人が作る前に、自分が作ってしまうのもありかもしれない。