プロセスオートメーション化が業務へもたらす効果とは?自動化ツールが実現する最適な業務フローと導入の勘所

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働き方改革が進む昨今、AI・RPAなど、テクノロジーを活用した業務効率化の動きは、とどまるところを知りません。

今回は、電通デジタルの塚本さんに、「自動化ツールが実現する最適な業務フローと導入の勘所」をテーマに寄稿いただきました。

塚本幸一郎
株式会社電通デジタル デジタルトランスフォーメーション部門

外資系メーカーにてデータドリブンマーケティング、カスタマーサクセスインテリジェンス、リスクマネジメントなど数多くのテーマに沿った提案・導入に携わる。 その後複数のコンサルティングファームにて主にアナリティクスに関わる提案に従事。 数多くの業種へIT-BPR、OPEX、IoTを利活用した調達業務プロセス改革、マーチャンダイジング、CRM最適化など上流工程からデリバリーまで一気通貫で顧客課題・要件に携わる。 統計学・線形計画法・金融工学に裏付けされたマーケティングモデル導入に関する多くの方法論を有する。

はじめに

Business Process Management(以降BPM)により、業務プロセスサイクルを最適に回して業務の効率化・生産性を上げるという動きから、近年では、Robotic Process Automation(以降RPA)を導入して、BPMでカバーしていた領域をツールで自動化し、品質保持・処理速度の向上に繋げる動きに注目が集まっています。

特に昨今、RPAは、AI・IoTに加えて、業務効率化などの課題解決をするにあたってもっとも注目されている分野であると実感しています。

今回は、業務プロセス改革の一環として、オペレーショナルオートメーションを導入・適用する最適なスコープ策定、プロセスステップがもたらす業務効率化の方法論や、導入にあたり考慮すべき事項、業務へもたらす効果などに関してご説明します。

BPMとBRMの関係性とちがい

アクティビティの監視・レポート等を目的として利用するBPMを支える背景として、それらのプロセスを実装するために、Business Rule Management(以降BRM)を用います。

BRMとは?
ビジネス戦略・ガバナンスが「何の(WHAT)意思決定の内容に基づいてすべきか?」などの意思決定を行うビジネスルールを捉え、ビジネスユーザが維持管理するものであり、ルールの上位レイヤーに位置する意思決定を「アクション」に変えるマネジメント手法。

BRMを導入する目的は、主に企業・組織が持っている企業文化に沿った業務推進・業務遂行・業務手続きを自動化するため。いずれも同じマネジメントという言葉が含まれていますが、複層のビジネスレイヤーに渡って個別に確立される方法論です。(以下概念図)

ビジネスルールの定義がないプロセスマネジメントは意味をなさない

「なぜ私はこの仕事を行っているのだろう?」と思い込んだままで日々の業務を推進しても、生産性は著しく低下します。どの業務においてもそうですが、業務を行う目的となるルールの定義付けがないまま業務を推進するのは、効果的ではありません。

ビジネスルールとプロセスは1対1の関係性であり、仮に各々が統合された環境で運用されていた場合は、新しいプロセスに対して既存のビジネスルールを適用することができません。そのため、システム上においてBPMとBRMは各々分けて設計・運用するのが望ましいです。

これは、人間の業務においても同じことが言えますが、ある業務を遂行しているAさんが、今まで携わったことがなく、かつマニュアルもない新たな業務を急に振られた場合、実行するための術がありません。

業務においては遂行ルールがあってこそ、業務プロセスを遂行できるものであり、その環境下で仮に「よく考えてやりなさい」と言われても、完璧どころかまともに業務遂行ができず途方にくれることになります。

RPAとは

ここまでBRM・BPMに関して説明してきましたが、RPAに関しても簡単に触れておきます。

RPAとは、定型処理業務を、ロボットと称されるシステムが、人に代わって業務遂行をするものです。定型処理業務をOCRなどで読み取ることで、RPAが定型処理業務を実行します。人が実行するのに比べ、作業の完成度をRPAが担保するので、業務上のミスなどは、事前の設定・定義に誤りがなければ、限りなくゼロに近くなります。

現在では多くのRPAベンダーの開発環境が日本語化されたことにより、多くの日本企業がRPAの導入を検討しています。

最後に

業務最適化・効率化の基礎概念としてBRM・BPMなどのテクノロジー・導入の背景を知ることで、RPAなどのテクノロジーが更に業務へ役立つものになると考えています。

米国の小説家であるマーク・トウェイン(Mark Twain)、本名サミュエル・ラングホーン・クレメンズ(Samuel Langhorne Clemens)の格言の1つで、

原文
「What gets us into trouble is not what we don’t know. It’s what we know for sure that just ain’t so.」
日本語訳
「やっかいなのは、何も知らないことではない。実際は知らないのに、知っていると思い込んでいることだ。」

という名言があります。私はデータサイエンス・マーケティング戦略などのテーマで登壇の場をいただいた際に、好んでこの言葉を用います。

業務フローの自動化という課題に対して取り組む際に、最新テクノロジーにばかりどうしても目が行きがちです。今一度、業務のルール・業務プロセスを見直し、取り組むプロジェクト全体に関係した現場業務への理解を深めることで、有効性のある手立てが勘案できます。