まずはこの動画を見てほしい。
この映像には実際の現場で拾った音声は入っていない。「取り込んだ画像に最適な効果音をつける」AIが、サンプルライブラリから見つけた“映像に合う”音を乗せたのだという。このような音楽分野でのディープラーニング活用がじわじわ増えており、永久に演奏が続くデスメタル、AIと人間との即興演奏など、AI×音楽の世界は着々と進化し続けている。
冒頭の動画で使われる技術を含む、音楽関連分野でのAI技術動向、ビジネス応用、社会への影響を紹介したホワイトペーパー「音楽生成AIの現状と可能性(2022年度版)」を、株式会社Qosmo(コズモ)が制作し無料公開したと発表した。
技術の応用分野やビジネスでの活用可能性までカバー
レポートは全25ページで構成されており、目次は以下のとおり。
- 本レポートの目的
- AI音楽生成システムの種類
- 応用分野とビジネスポテンシャル
- 音楽生成技術の社会への影響と課題
- 音楽生成技術の発展と現状
- 深層学習技術以前の音楽生成
- AI (深層学習) 音楽生成技術の発展
- 今後の研究課題
- 著者紹介
- おすすめの情報ソース
- リファレンス
世界で評価された技術者たちによる、非技術者にもやさしい解説
本レポートは非技術者を対象に書かれており、技術の解説にとどまらずに、社会実装における可能性や課題にも広く言及している。
レポートを作成したのはAI DJと人が2人で互いに曲をかけあうAI DJ Projectやユーザーが集めた日常の音からリズムを生成するNeural Beatbox、Imaginary Soundscapeなどを発表し、アーティスト・企業・個人が使えるAIツールを提供しているQosmoの技術者たちだ。
彼らの知見を集約しているので、「Transformersベースの音楽生成」や「模倣ではなく新しい音楽の生成」など、AI技術を少し知っている人や技術者にとって興味深いコンテンツも多い。
レポート内で多くのサンプル音源を聞ける
取り上げている技術に関連する音声や映像のリンクを随所に紹介し、すぐに試聴できるように構成されている。文字情報だけでなく実際の生成結果などを耳で確められ、より同分野の理解が進む。
AI×音声技術の情報収集ソースも紹介
AI×音楽の分野は発展が著しく、最新の技術動向を追うには論文の読解やニュースでの情報収集が欠かせない。しかし、音楽×AIの情報は画像処理や文章生成と比べるとそう多くない。
レポートではこの分野での情報収集におすすめのTwitterアカウントをはじめ、AI×音楽分野で企業や研究機関、国際学会などが紹介されている。
3月23日にセミナー「音楽生成AIの現状と可能性」無料オンライン配信を実施
当レポートの公開を記念した特別講演が3月23日(水)にオンライン配信され、現在参加申込みを受付中だ。レポートの著者であるQosmoのプログラマの中嶋亮介氏と、ポッドキャスト「シバタアキラのcafeでAIたい。」でおなじみの同社COO、シバタアキラ氏が登壇する。
AIによる音楽生成の応用はどのような可能性を秘めているのか、Q&Aセッションを交え参加者の皆様と共に考察していくインタラクティブセミナーとし、AIやコンピュータを使った音楽や映像、メディア・アート作品、文章表現などに取り組む方や、あらゆる企業における創造性の活用に取り組まれている方を対象としているという。
- 題名:ホワイトペーパー公開記念特別講演ー音楽生成AIの現状と可能性
- 日程:3月23日(水)18:00 – 19:30
- 場所:オンライン配信
- 参加費:無料
- 主催:株式会社Qosmo
- 申し込み:専用フォームから受付
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