日立や東芝など11社、量子技術の協議会を設立「できるところから始めるスピード感を持つ」

このエントリーをはてなブックマークに追加

株式会社日立製作所や株式会社東芝ら11社は5月31日、量子技術を応用した新産業の創出を図るための協議会「量子技術による新産業創出協議会」の設立発起人会を開催した。設立は今夏を予定している。



量子技術は、古典的手法を乗り越えるものとして1980年代から注目され始めた。21世紀になって関連技術が進歩してきたことことで、開発が加速してきている。本協議会によると、2050年が開発時期と言われた「誤り耐性量子コンピュータ」は関連技術の応用がすでに始まっているという。

本協議会では、量子技術の応用を通じた中長期的な新産業の創出をオールジャパン体制で目指すとうたう。産学官の関係者が量子技術に関わる基本原理、基本法則を改めて整理し、応用可能性、必要となる産業構造や制度・ルールなどについての調査・提言し、新技術の応用と関連技術基盤の確立に取り組むという。

日本電信電話株式会社(NTT)取締役会長の篠原弘道氏は「最近では輸送ルートの最適化、新薬の探索など、いくつかの産業分野で量子計算の適用が検討開始されています。量子計算においてはさまざまな産業分野で実問題を素早く解けるようにするための研究開発をさらに進めるとともに、産業界としては適用分野の拡大に取り組まなければいけないと思っています」とコメント。

続けて、篠原弘道氏は「量子計算に加え、量子暗号、量子センサー、量子マテリアル、量子デバイス、量子生命といった分野も日本の産業界の大きな発展を促すようなポテンシャルを持っています。こういった分野においても早い段階から産官学の英知を結集する必要があると思っています」と述べた。

本協議会の設立発起人会の会長に就任した、株式会社東芝 取締役会長 兼 代表執行役社長 CEOの綱川智氏は「この夏の協議会の設立を目指し、より多くの企業、専門家の方々に参加していただけるよう、設立発起人会の会長として本協議会に強くコミットし、オールジャパン体制での『量子技術イノベーション立国』の実現を目指します」と語る。

また、綱川智氏は日本の現状に目を向け、「これまで日本は『技術で勝ち、産業で負ける』と一部では指摘されていました。来る量子時代に向けて技術面に加え、『まずはできるところから始める』というスピード感を持ち、産業面でも世界をリードしていきたいと思っています」と意気込んだ。

設立発起人会参画企業は日立と東芝のほか、JSR株式会社、第一生命ホールディングス株式会社、東京海上ホールディングス株式会社、株式会社東芝、トヨタ自動車株式会社、日本電気株式会社(NEC)、日本電信電話株式会社(NTT)、富士通株式会社、株式会社三菱ケミカルホールディングス、株式会社みずほフィナンシャルグループ。

>>ニュースリリース