アニメ用の美術背景を生成できるAI 30分以上かかる作業が約30秒に

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画像は同人漫画家(まっくす氏 @minux302)の使用例

株式会社ラディウス・ファイブ(RADIUS5)は7月29日、ディープラーニング(深層学習)を用いてアニメ用の美術背景を生成する新サービス「Anime Art Painter(アニメ アート ペインター)」をリリースしたと発表。本AIは30分以上かかるようなアニメ背景の作成を約30秒で実現する。

「Anime Art Painter」は1回のAIの処理で、最近のアニメによく使われるような水彩調とベタ塗りに近いアニメ調の2種類に加え、エッジが強調されるようなフィルタ処理をかけて、よりアニメらしい表現に近づけたもの2種類も生成する。

本AIは、一般的には背景絵師が手書きで描いた場合は数時間から数十時間、写真加工ソフトの利用に習熟している人が作業した場合でも30分以上かかるようなアニメ背景の作成を、画像をアップロードしてから約30秒で実現する。アニメ背景の生成が早いだけではなく、デザイナーでない人でも簡単にアニメ背景を生成できる。

アニメの美術背景をアウトソースすると、一般的には手作業の場合は数日程度の納期と数千円から数万円の予算が必要になる。本AIは月額無料のエントリープランの場合、480円で4種類のアニメ背景を生成できる。サブスクリプションに加入している場合は10クレジットで利用可能。ライトプランは実質240円、プロプランは実質99円、メガプランは実質80円で利用できる(※)。

※サブスクリプションはプランごとに毎月の支払金額と付与されるクレジットの量が異なるため、実質的な金額が変わる(上位プランに加入するほどボリュームディスカウントがある)。

現在アニメ業界は制作が2年待ちなどと言われ、とくにアニメの背景を描く人材の不足に悩まされている。背景が出来上がっていないために制作のスケジュールを調整せざるを得なくなったプロジェクトなどもあり、業界全体の大きな課題の1つになっているという。本AIはこのような状況を踏まえ、主にアニメ業界で活用してもらうことを目的に開発したとしている。

そのほか、イラストや漫画、ウェブトゥーン、ゲーム、デザイン用途などでの利用も見込んでいるという。

>>ニュースリリース

6種類の似顔絵を作成できるAI、30分以上かかる作業が約30秒に

ラディウス・ファイブは2021年5月25日、AIを用いて6種類の似顔絵を生成する新サービス「Portrait Drawer(ポートレイト ドロワー)」をリリースしたと発表。

1回のAIの処理で6種類の似顔絵を生成できる。顔を中心に512×512pxのサイズで正方形に切り抜いた似顔絵を5種類に加え、おまけとして人物が全体的に写る領域で切り抜いた1種類の合計6種類の似顔絵を生成する。最初に2種類のAIで似顔絵を生成しつつ、後工程でトーンやカラー化などの画像処理を自動で実行し、6種類の似顔絵を生成している。

そのほか、詳細は以下の記事をチェックしてほしい。