リクルートがAIをまさかの無料公開。さっそくすべてのAPIを試しまくってみた

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自動応答を可能にするTalk API

Talk API会話文を自動生成してくれるというAPI。

ユーザとの会話を学習して自然な会話を実現できるという、これぞ人工知能といった感じ。チャットbotに使えそうですよね!

まずは基本のあいさつから試してみましょう。

最近順調ですか?」と入力してみます。

{
  "status": 0,
  "message": "ok",
  "results": [
    {
      "perplexity": 1.7530718200379387,
      "reply": "あなたはどうですか?"
    }
  ]
}

少しくせのあるあいさつでも、しっかりと応答してくれました!

さらに「あなたと話すの初めてで少し緊張しています。」と話しかけると

{
  "status": 0,
  "message": "ok",
  "results": [
    {
      "perplexity": 1.219203771801697,
      "reply": "私もです"
    }
  ]
}

おー、会話になってますね。

かなり自然な応答をしてくれるので、botの雑談機能としてなかなか良さそう。

もうちょい難解な感じで「あなたが幸せな時はどんな時ですか?」と話しかけてみます。

{
  "status": 0,
  "message": "ok",
  "results": [
    {
      "perplexity": 5.190660186646161,
      "reply": "どんな時でしょうね"
    }
  ]
}

意外にちゃんと応答してくれてるっぽい。単純に楽しいです。
これは使い道ありそうですね!

画像の影響度を測定し、点数で予測するImage Influence API

Image Influence APIは、多くの人に注目されやすい画像の”影響度”を判定してくれるAPI。

結果は0~9点で判定されます。

これでA/Bテストのようなことを事前に人工知能でテストもできそう。

現在はお肉の画像のみに特化しているようですが、最終的にはすべての種類の画像に対応する予定とのこと。

なぜお肉にフォーカスしたかは大きな謎が残るところではありますが、気にせず試してみましょう。

まずは、こんな感じの長細いお肉から突っ込んでみます。

{
  "status": 0,
  "message": "ok",
  "result": {
    "score": 1.7297801971435547
  }
}

0-9点ででるので、1.72というと結構低い点数ですね……。

今回は「良いお肉」と「良くないお肉」それぞれの画像にあらかじめリクルート側が点数をつけてくれた学習データを使っているので、点数の判断基準はリクルートの誰かということになります。

では次に一般的(?)なお肉の写真を。

{
  "status": 0,
  "message": "ok",
  "result": {
    "score": 4.077118396759033
  }
}

さっきよりは点数が高くなりました!

(一般的なお肉でもこの点数ということは、点数の基準を決めたリクルートの方々は相当高級なお肉を食べているに違いない)

うーん、今のところの使用用途は「飲食店がグルメサイトにアップする写真の選定」ってカンジでしょうか?

すべての画像に対応したときには、一気に実用性が増しそうな気がします。

レコメンドリスト、アイテム間の相関リストを自動生成するLisiting API

大丈夫ですか? 疲れてきてませんか?

これが最後です!

Listing APIは、商品の購入履歴データから「このユーザーは、こういう商品も好きそうだよ」というレコメンドリストを生成してくれるAPI。

ちょっとイメージ湧きづらいので、実際に試してみましょう。

今回は適当にユーザーID(user_id)、商品ID(item_id)、購入時刻(time_stamp)という3つの項目が入ったデータを準備しました。

Listing APIを使えばこれらのデータから各ユーザーに対してレコメンドすべき商品を教えてくれます。

実際にこれらのデータを使ってAPIを使ってみると、自動生成されたリストをcsvファイルでダウンロードすることができました!

リストの結果はこんな感じです。

これだけだと全然わからないので、それぞれわかりやすく図示すると以下の通り。

各ユーザーに対して、10件のレコメンド商品を自動で生成してくれています。

それぞれスコア値が付与されていて、その値が高い方からソートしてくれています。

このスコア値が高ければ高いほど、「○○な商品を買ったときに、△△を買う可能性」の相関が高いってことです。

これ、マーケターにはかなり嬉しいAPIでは? これをもとにメールマーケティングなど行ってみたいですね。

これらのデータをユーザ属性ごとにさらにリスト化してみたり、というのもかなりおもしろそうなデータが出てきそうですし、すでに実用レベルのAPIですね。

AIはすでに僕らのすぐ隣に

6つのAPIを実際に使って、無料で使える人工知能もここまで来たか!と思う部分もある一方で、正直実用にはあともうちょっと……という部分も。

ただリクルートグループ内では実際にこれらのAIが使われているというのも事実で、AIがそれだけ社会に浸透してきて、もはや当たり前になりつつある。

将来は人工知能が……みたいな話はもう終わっていて、AIはすでに僕らのとなりで活躍している。

そんなAIのAPIが無料公開されてるなんて、めっちゃすごいですよね。

これからの時代は、話題作りや興味本位でAIを使ってみるのではなく、より真剣にあらゆるサービスやプロダクトに取り入れる必要性がでてくるのではないでしょうか。

そんなことを感じつつ、APIをいじっていたのでした。

ではではー。

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