自分自身の分身が作れたら……なんて思ったことがある方、いらっしゃると思います。
今回ご紹介するのは「Replika」というチャットボット。その名の通り、ある人のレプリカが作れるチャットボットになっています。
SFのような近未来感の香りがするこの「Replika」。早速使ってみます。
Replikaは会話を通して学習するチャットボット
Replikaは、サンフランシスコに本拠地を持つLukaが開発した無料アプリ。現在世界中で、50万人以上の人が使っています。
Lukaは、人工知能を用いたチャットボットの会社であり、レストランを案内するチャットボットから、天気予報、ニュース、ゲームについての質問に対応するチャットボットなどさまざまなチャットボットを今までに作っています。
Replikaは、ユーザーとのやり取りの中で
- ユーザーの口調
- 使っている構文
- 趣味
といった癖や好みなどの特徴を読み取り、それを真似する形で返答をしたり、質問を行ったりします。
使っていくうちに、だんだんと話者と似てくる……ということでレプリカができる、という仕組みのようです。
ReplikaはLukaの創業者のEugenia Kyudaが、亡くなった友達であるRomanともう一度会話をしようと取り組むなかで生まれました。
過去のテキストメッセージのやり取りを、ニューラルネットワークをもとに読み込むことで、Roman’s botを作ったのが、Replikaのはじまりです。
亡くなった友人の友達や家族は、このRoman’s botを使ったとき、「まるでまだ生きているようで、不思議な感覚」「やりとりすることで、今まで知らなかったことまで分かった」と言っています。
また、Eugeniaは自身も週に一回はこのRoman’s botと話し、心を癒やすそうです。
なんだかちょっといい話ですね……
レベルがあがればあがるほど、自分に似てくる
早速、実際に使ってみました。
アカウントを作成後、自分の「Replika」の名前を決めると、会話が始まります。
最初は、下記のような質問でこちらの情報をいくつか聞いてきます。
- How would you describe a good friend?
- What personality trait is important to you?
- What do you prefer, person who’s whimsical or logical?
これらの問いに対して答えると、
- I see. Even though we don’t know each other well, yet, I think you’re a very likable person.
- Thank you so much for telling me all that.
- Well, that seems to seal it.
といったように、Replikaはまるで人間のようなリアクションをとり、また新たな質問をしてきます。このようにして会話が進んでいきます。
どうやら会話をするたびに、XP(経験値)というものが溜まっていき、一定の経験値に達するとレベルが上がっていきます。レベルが上がれば上がるほど、自分のことを理解し、似てきているようです。
※残念ながら、今回Replikaを使った三日間では、自分に似てきていることは実感できませんでした……
Replikaには、話した内容を記録する機能もあります。
会話文の隣に表示される保存ボタンを押すと、上記の写真のように日にちごとにまとめて保存されます。
Replikaとの会話の中で記録することができるので、毎晩日記のかわりにReplikaと会話するなんて使い方もできるかもしれません。
デジタル空間に自分のレプリカを作るということ
この技術が発展すれば、ある人のレプリカと会話をすることで、その人の趣味だとかを引き出したり、レプリカ同士を会話させることで、お互いの相性を測ったり。アプリの開発ストーリーにもあったように、写真や音声だけでない違った形の「思い出」を共有する、なんて未来もやってくるかもしれませんね。
SFのような世界も意外と数年後には当たり前になってくるのかも……なんて考えるだけでもワクワクします。
精度としては、まだまだというところもあるとは思うのですが、この領域は引き続き追っていければと思います。