スタートアップにもマーケティングへのアクセスを。「ロボマ」で目指すデータドリブンマーケティングの民主化

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突然ですが、マーケターのみなさん。日々の広告運用業務、どうしていますか? エクセルやスプレッドシートでのデータ集計やレポート作成、とんでもない工数ですよね。かといってBIツールを導入するのは、結構コストもかかる……。

そんなマーケターの課題を解決してくれそうな、AIを活用したマーケティング支援ツール「Roboma(ロボマ)」のβ版が1月16日に公開されました。

  • 一体どのようなサービスなのか?
  • どのような目的でサービスを作ったのか? 
  • コストはどのくらいなのか?

ロボマをリリースしたRoboMarketer株式会社 代表の岡崎さんに、詳しいお話を聞いてきました。

広告アカウントの一元管理&AIが改善点をサジェスト

――早速ですが、ロボマとはどんなサービスなんですか?

――岡崎
「ロボマは、デジタル広告に関わる業務を自動化できるツールです。Google AdWords、Facebook、Twitterなどの広告アカウントを連携して一元管理でき、AIによる改善点のサジェストなども可能です。」

管理画面。各アカウントのデータを集約して可視化できる。

主要な機能は以下の通り。広告特化のBIといった感じです。

  • 主要SNS広告アカウントとの連携
  • 広告レポートの自動作成・管理
  • AIによる改善点のサジェスト
  • 代理店・チームメンバーと共有

プランはフリー・ベーシック・プロ・エンタープライズと分かれており、フリーは1広告アカウントの連携が無料で可能とのこと。とりあえずの導入ができるので、敷居が下がりますね。

気になるのはサジェスト機能。どのような点をサジェストしてくれるのでしょうか。

――岡崎
「たとえば、このクリエイティブでは集客につながっていないのでこう変えた方がいいといったことや、CPAが高すぎるから下げるための対策をした方がいい、といったことまでサジェストできます。」

サジェスト機能は、β版では一部の提供のみとのこと。これが完全に実装されれば、代理店がおこなっているようなコンサルティングを、代行してくれることになる……とまではいかないと思いますが、大きくマーケターの働き方も変わりそうですね。

マーケターを忙殺する作業を少しでも減らしたい

――そもそも、なぜロボマのようなサービスを作ろうと思ったのでしょうか?

――岡崎
「一番の理由は、無駄な業務への時間と手間を省いて、より本質的なことに時間を使えないかという問題意識です。

私の経験もありますが、何10MBもあるエクセルやスプレッドシートから手作業でのレポート作成や、運用最適化のために管理画面に張り付いてずっと監視している、というのが日常的でした。」

そもそも、取得できるデータの量がこの数年で爆発的に増えたので、データを人手で管理するのは難しくなっています。

その結果、データの集計やレポート作成といった仕事に忙殺され、本当にやるべきことができなくなるのは問題ですよね。しかし、これまでのBIツールと比較して、どのような違いがあるのでしょうか。

――岡崎
「BIツールもありますが、高価なので中小企業やスタートアップは使いにくい。使うとしても、エンジニアのリソースが必要で、マーケター自身で完結するものではありませんでした。

そもそも、マーケティング部門はコストセンターに見られがちなので、ツールに使うお金も割けないんです。」

特に、大企業のように潤沢なリソースがない中小企業、スタートアップでは、いかに投資対効果の高いマーケティングができるかが重要なはず。多くのBIが気軽に導入できるような価格帯ではない中、比較的安価なロボマの優位性がありますね。

マーケターが戦略設計に集中できる世界を実現する

――ロボマでマーケターの作業がかなり軽減されると思いますが、その先にどういった世界観を目指しているのか、教えてください。

――岡崎
「マーケターが、よりブランディングや戦略立案といった本質的なことに時間を使えるような世界ですね。

具体的には、現代の多様化した個人に対して、最適な広告を、最適なタイミングで、最適な見せ方ができるUXの設計などに時間を使ってほしいと思っています。」

現代ではユーザーの行動が多様化していて、「30代・男性・クルマ好き」などのデモグラだけではインサイトを判断できなくなりました。

作業の部分が効率化されれば、自社サービスのユーザーには何が刺さるのか? それはなぜか? それはほかのユーザーにも活かせないか? など、考えることに時間を割けますよね。

ロボマの今後についてはどう考えられているのでしょうか?

――岡崎
「マーケティングのROI最大化には、LTVをあげるか、CPAを下げるかしかありません。まずはロボマユーザー企業のCPAを下げられる仕組みづくりに注力し、そのためにもAI機能をより強化していきたいです。」

AI機能をより強化していきたいとしつつ、すべて自動化すべきとは思わない、と岡崎さん。AIでヒントをマーケターに提供し、人間がそれを元に戦略を考える。そんな役割分担が理想と語られていました。

ロボマβ版リリースと同時に、総額約4,000万円の資金調達も発表したRoboMarketer。これからが楽しみです。