レジ待ちの行列がなくなる?ベルク、エッジAIカメラ「Safie One」を使った実証実験を開始

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セーフィー株式会社は8月4日、株式会社ベルクと共同で、新たに提供を開始するエッジAIカメラ「Safie One(セーフィー ワン)」による店舗業務の実証実験を実施したと発表した。

本実証実験は、「Safie One」のAIカメラの映像を通じて、小売業における業務の改善と向上を目的としている。

ベルクは、既存の設置カメラにおいて、売り場での陳列・売れ行きの確認やバックヤードでのオペレーション確認に映像を活用し、売上拡大や業務改善に取り組んできた。一方、店舗スタッフ(店長、部門管理者)は、店舗ごとの業務対応に追われ、映像を見る時間を割けないという課題が存在した。

そこで今回、「Safie One」によるクラウド録画サービスの映像とAIが連携し分析することで、従来の業務における課題の改善と新たなスタイルを創出するため、実証実験に至ったという。

本実証実験の概要は以下のとおり。

  • 対象店舗:ベルクフォルテ我孫子店(千葉県我孫子市つくし野4-1-2)
  • 開始:2022年4月
  • Safie対応導入機器:「Safie One」(計4台)

実証実験の内容

本実証実験では以下の施策を実施している。

立ち入りカウント(エリアカウント)による検知

お弁当(惣菜)エリアの俯瞰できる場所に「Safie One」を設置。映像とAIによる立ち入りカウント検知を連携したデータ分析を実施し、適切なお弁当の陳列と補充を管理する。

今回はエリアを4分割したゾーン計測により、人の立ち寄りが最も高いエリアを明らかにし、人気商品などを適切に配置する場所を検討する。今後は、販売実績のデータと掛け合わせて、値引き分析やPI値分析による管理にもつなげるという。

  • 目的:お弁当エリアの滞留率検知による販売精度の向上
  • 対象エリア:お弁当エリアを4つに分割して計測
  • 取り組み:立ち入りカウントの検知から、滞留数、通過人数、滞留率を数値化。4つのエリアの滞留率(通過人数÷滞留人数)をカウント。曜日や時間帯などを軸に、各エリアの要因についても検証する

通過人数カウント(ラインカウント)による検知

  • 目的:入店時のライン検知により取得できる滞在者数から、曜日、時間帯の傾向を把握してレジ開放やシフト最適化につなげる
  • 対象:店舗入口2ヶ所に「Safie One」のカメラを設置
  • 取り組み:「Safie One」で記録した映像をもとにライン検知を実施

通過人数カウント、立ち入りカウントの検知データと販売データを連携し、店舗の総合的な数値の可視化

  • 目的:店舗の検知データと販売データを連携し、店舗の総合的な数値の可視化
  • 対象:通過人数カウント、立ち入りカウントとPOSデータ
  • 取り組み:「Safie One」の映像検知から、4つの数値(店前交通量、入店者数、滞留者数、購入者数)とPOSデータを組み合わせファネルにより可視化

フードロス削減にも期待

映像とAIによる立ち入りカウントを活用した実証実験から、各エリアにおける人の回遊(流れ)の把握や、消費者の購買行動にあわせた商品配置の変更など、商品販売に関する新たな知見を得た。
商品配置の変更

映像とAIの連携により、惣菜・お弁当コーナーにおけるフードロスへの貢献も期待できるとしている。

今後は通過人数カウントをもとに時間別の滞在者の分析を進めて、レジ開放数の最適化やシフト配置による混雑エリアへの改善をはじめ、立ち入りカウントとPOSデータを連携した店舗の統合的な数値の可視化を目指すという。

  • 販売強化:映像とAIによるカウント数値を活用した新たな販売強化
  • 販売戦略:検知データ(通過人数カウント、立ち入りカウント)とPOSデータを連携した店舗の統合的な数値の可視化
  • フードロスへの貢献:映像とAIカウントによる惣菜・お弁当コーナーにおける効率的な配置から、商品の売れ残りの抑止に貢献

本実証実験に関して、株式会社ベルク 取締役 システム改革部長の原田裕幸氏は以下のコメントをしている。

「今回の『Safie One』による実証実験は、お弁当エリアをはじめ、今後の販売力向上につながるヒントが見えた一歩と捉えております。なかでも滞留率の変化など、映像とともにAI計測による具体的な数値を、これまで差異が生じていた各店舗へ提示し、店舗共通の視点が生まれることで、販売力の更なる向上につながると考えています」

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