サンフランシスコで月10万円以上のベーシックインカム 対象はアーティスト

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画像はUnsplashより

アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコ市のロンドン・ブリード市長は、2021年初頭から最低でも半年間、130人のアーティスト(芸術家)を対象に、月1000ドル(約10万5000円)のベーシックインカム(最低所得保障)のパイロットプログラムを導入すると発表した。サンフランシスコの情報を届けるSFistなどが報じている。

>>SFistによる報道

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が感染拡大する以前から、ベーシックインカムは人工知能(AI)の進歩はもちろん、少子高齢化や格差拡大などの社会的背景もあり、先進国で議論が活性化していた。とくに、AIに関しては「AIは仕事を奪う」といった議論がなされていることが大きい。

今回のベーシックインカムはアーティストを対象としており、支給されたお金は食費や家賃、画材など、個人が望むものに使用できるという。申請は10月30日まで受け付けている。

artnet NewsやArtforum Internationalの報道によると、同プログラムはアーティストといった特定のグループを対象にしており、全国民に無条件で一律の現金を給付する「ユニバーサル・ベーシックインカム」とは異なるとして、批評家たちに批判されているという。

一方で、近年、サンフランシスコ市内の家賃は上昇し続けている。現在、日本で上映中のアメリカ映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』も、サンフランシスコにおける「ジェントリフィケーション(地域の高級化、都市の富裕化)」を題材にした作品だ。

サンフランシスコはこのような家賃上昇の影響で、芸術コミュニティを7割失ったとされる。今回発表されたベーシックインカムのパイロットプログラムは、同市におけるアーティストの維持に役立つのではないか、といった肯定的な声もあるとする。

>>artnet Newsによる報道

>>Artforum Internationalによる報道

ドイツで月15万円のベーシックインカム実験 4日で希望者が120万人に

近年、先進国各国でベーシックインカムが注目を集めている。

ヨーロッパでは2020年8月に、ドイツの経済研究所が2021年の春から、ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)を試験的に導入することが明らかになった。米Business Insiderなどが報じている。

実験の参加者である120人は3年間、毎月1200ユーロ(約15万円)を受け取れる。3年間での支給総額は4万3200ユーロ(約540万円)になる。米Business Insiderによると、支給額はドイツの貧困ラインをわずかに上回る額という。

研究者たちは本実験の参加者である120人と、支給を受けない1380人の別のグループを比較。参加者には生活や仕事、感情状態についてのアンケートに回答を求め、経済と受給者の幸福にどのような影響を与えるか研究するとしている。

時事ドットコムの報道によると、ドイツ在住の18歳以上という条件のみで参加者を募集したところ、募集からわずか4日で希望者が120万人に達したとのこと。国内での注目度の高さがうかがえる。

今回のサンフランシスコ市のパイロットプログラムと同様、今後の動向に注目したい。