マーケターは広報から学べ!マーケティングに逆引きストーリーが必要なワケ

マーケターは広報から学べ!逆引きストーリーが必要なワケ
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おはようございます。アズマです。

僕が昨年、マーケターセミナーに参加した時のこと。すごく心に残った言葉がありました。





―日比谷
マーケターはもっと広報のやり方を学んでもよいかと…。

スペックや小手先のテクニックではなく、会社全体の素材を活かしてストーリーテリングして、思いやパッションを伝えるのも大切なんです。

聞いた瞬間は、正直よく理解できず「???」という状態に。

まったく別角度からの意見に面喰らいつつ、その後モウレツに共感することになるのですが…

その言葉の意味やマーケティングについて、発言者の日比谷尚武さんにインタビューしてまいりました。

日比谷尚武
Sansan入社後、マーケティング部立ち上げ→広報、エバンジェリストとして活躍。現在は独立しSansanと業務委託契約を結びつつ、株式会社PR Table 社外取締役、一般社団法人at Will Work 理事として活躍中。

あらかじめストーリーを考えておくことで成果が変わる

―昨年のセミナーでおっしゃられていた「マーケターは広報から学んだ方がいい」という発言がとても印象にのこっていて、もう一度、お話を聞きたいのですが

日比谷さん

―日比谷
はい。僕自身、マーケターから広報になって、学んだことが多いんです。

広報って、常にさまざまなルートから問い合わせがくるので、それに対応するストーリーをあらかじめ持っているんですよ。

広報は、まず相手にどう見られているか、どう思われているかを理解して、あらかじめ用意してある言葉の中から最適な言葉を選ぶんだそう。

一方通行で同じ情報を流すだけでは、相手によって伝わり方が変わってしまうので、本当の意味で“正しく情報を伝える(伝わる)”ということにはなりません。

これは、マーケターにも言えることで、施策ありきで動くのではなく、どういった流入経路(思考)で来ているかをまず理解する。

そして、それぞれの要望にあった施策を考える必要があるという観点で非常に広報の考え方は参考になるとのこと。マーケターは、ありとあらゆる動線のストーリーを用意しておくのが良いということでした。

図

数字にでにくい効果もある

―日比谷
ストーリーは、関係がありそうなものだけに絞らずに、社内にある情報もすべて設計するのがベターです。

Sansanでは、生産性や創造性向上のため徳島県の神山町で古民家を借りたサテライトオフィスをつくって地方で分業する。という働き方が注目されたことがあったそう。

しかし、古民家のサテライトオフィスはクラウド名刺管理の事業には直結しないので、あまりプッシュしなかったんだとか。

ただ、過疎地にあるIT企業のサテライトオフィスというギャップのおもしろさから、地方のTV、新聞で取り上げられ、その後、全国で一斉に報道され、それが好印象になり結果的にSansanのブランディングにつながるなんてことがあったそうです。

自分で当たり前を決め線をひくことで、思考は狭くなり、想像の範囲を超えなくなります。

このときに、どんなことでも成果に繋げられるストーリーをキチンと設計しないといけないと感じたんだそう。

たしかに関係が薄そうな事業は思考から外れガチですが、社内事業すべてを加味したうえで設計しておくのが最善なのかもしれません。

―日比谷
これまでマーケターとしてリードをたくさんとればいいという感覚が強かったのですが、広報は数字で表しずらい案件が多いんです。

すぐに売り上げにつながらなくても、長い目で見た時に成果に繋がることがあったり、数字にでにくい効果があるということを学びました。

すぐに結果にむすびつくモノだけではなく、長期的に見て成果が出そうなモノもキチンとストーリーを組んでおく必要がある。言うは易し行うは難し…ですが日比谷さんの発言には非常に説得力があります。

目的にあってるんだっけ?というのを常に照らし合わせる

―日比谷さんがマーケティングされていたときは、何を大切にされていたんですか?

日比谷さん

―日比谷
そうですね。“目的は何か”ということは、常に意識するようにしていました。

Sansanに入社した当時、見込み客を集めるというのが課題で、webでリードを集めようという段階だったんだそう。

コーポレートサイトの一部だったプロダクトページを独立させて、狙った言葉で上位表示されるようにSEO対策に取り組み…と言っても、名刺をクラウドで管理するといった価値すらない時代。

認知してもらうだけでもたいへんです。

そこで、問題解決できる(と思われる)事例を逆引きで想像して言葉を選んで対策したんだとか。

当時、クラウド名刺管理のSansanが行っていたSEOは

  • 顧客管理
  • マーケティング
  • 営業管理

といった感じに「名刺管理」という言葉は使わなかったんだそうです。

問い合わせが少なかったので、問い合わせを増やしたいというのはあるものの、セールスのリソースが少ないので、いたずらに問い合わせを増やしても対応しきれないという現実があったんだとか。

日比谷さん

通常マーケターが施策をはじめる場合、もっとも興味が高い人をいかにCVさせるか。といったところから始め、次に少し興味があり、名前くらい聞いたことがあるよなんてくらいの方にどうやって興味をもってもらうか。といったようにピラミッドの上から順に施策していくんだそう(下記の図参照)

ターゲットを階層にわけインサイトを分析して、それに対してどうやって施策するか。

図

Sansanからすると「名刺管理」で検索して、パッケージソフトを求めている人まで流れてくるのはホットではありません。

なるべく顧客管理や営業力を強化したいという人から対応していった方が効率がいい。

コンテンツで取引先の事例や効果をだし、よりホットなリードから問い合わせがくるようにしたそうです。

何のためにどれくらい結果をださなきゃいけないというのが定まっていて、適切に施策していくことが大切ということでした。

“目的は何か”ということによって、かける予算も期間も変化し、施策する順も決まる。

文章で書くと簡単に見えますが、できない人も多い。大事なことですよね。

さいごに

セールスに施策を伝えるときにも、相手(セールス)の気持ちを理解して施策を伝えることで、正しく伝わるんだなと思いました。

「うちのセールス全然ダメで!」とか「うちのマーケ施策がダメで!」と言う前に今一度、相手の気持ちを理解してみるとうまくいくんじゃないかなと思いました。

成果をだされている方は、みなさんコミュニケーションをしっかりとられていました。

テクノロジーが進化しても、やはりヒトヒトなんだなと。

日比谷さん、お忙しいところたいへんありがとうございました。