コンサートなどのイベント時にチケットの価格を、当日の天候や市況などをもとに設定する取り組みが徐々に始まっている。
昨年末には、浜崎あゆみさんのカウントダウンライブにおいて、AIを活用して価格を変動させるダイナミックプライシング方式が導入された。
そんなダイナミックプライシングをプロ野球チームが活用をはじめる。
株式会社西武ライオンズは2月20日、2020シーズンからオープン戦を含むメットライフドーム一軍公式戦開催日に、メットライフドームの一部の駐車場において「ダイナミックプライシング」を導入することを発表した。
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試合日程やチーム状況などをAIが分析して価格を設定
ダイナミックプライシングとは、試合日程、市況、天候、チーム状況などに関するビッグデータの分析を基に試合ごとの需要を予測し、その需要に応じたチケット価格をAI(人工知能)が自動的に変更するもの。
その価格は、株式会社西武ライオンズがチケットの販売などを委託しているコミュニティ・ネットワーク株式会社(CNプレイガイド)の過去のチケット販売実績や販売期間中の実績を基に、ダイナミックプライシングサービスを提供するダイナミックプラス株式会社の独自の価格算出で決定するそうだ。
対象となるのは、当社が運営するメットライフドームエリアの4箇所の駐車場のうち、約430台が入庫可能な2箇所の駐車場。そのうち320台が入庫できる「C駐車場」では、昨シーズン、メットライフドームで開催した66試合中62試合で駐車場のチケットが完売したそうだ。
転売防止を期待、今後は観戦チケットへの仕組み導入も検討
プレスリリースによれば、駐車場利用の需要が高いにも関わらず、これまでの定価の金額が適正な値段でなかったためか、チケットがオークションサイトやフリーマーケットアプリなどで定価を大きく超える金額で売買されている実態もあった、という。
ダイナミックプライシングを導入することで、定価ではなく、適正な価格で販売できることが見込まれ、結果的に不正転売の抑制につながることが期待されている。
今後は駐車場の稼働率などを注視し、2021シーズン以降、ダイナミックプライシングを観戦チケットにも拡大していくことも検討しているそうだ。
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