国立大学法人 静岡大学は9月20日、株式会社大和コンピューターとの農地創造研究に関する共同研究により、温室メロンの網目の品質を認識できる、メロンの等級判定AIの開発に成功したと発表した。
開発の背景
国内では贈答用などに用いられる高級果実として認知されている温室メロンは、大きさや糖度などの品質に加え、外観の品質も重要視されている。現状、果実の形状や網目の色合い、網目形状の均一さなどの品質の判断は、熟練生産者が目視で確認してきた。しかし、判定作業には多くの時間を要することや、生産者ごとに判断基準がバラつくため、等級付けの一貫性が保たれないことが課題となっていた。
メロンの等級判定の例
等級判定AIについて
本等級判定AIは、一般的なRGBカメラでメロン表皮の360度全周映像データを取得し、メロン表皮の全周を表した網目画像と輪郭画像を生成する。等級判定に寄与した部位を表現するActivation Mapと深層距離学習によって網目の品質を定量化(ベクトル化)することで、熟練生産者の等級判定を約82%で再現できるという。
AIが学習するメロン全周画像
加えて、熟練生産者の等級判断の根拠となっている網目の部位の可視化や、等級ごとの類似度をレーダーチャートで表示できる。
メロン等級判定の根拠となる部位(特徴)を可視化した様子
AIによる等級判定度合いをレーダーチャートで表現
本技術は、温室メロンだけでなく、外観の品質判定が重要な農産物や工業製品にも展開できるとしている。
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