実装を終えた著者(左)。入室した社員(右)をカメラで判別している様子
今回は、カメラAIの行動検出推論の機能を活用したソリューションを構築したいと思います。このソリューションでは、社員の入退室をリアルタイムで検知し、その滞在人数をカウントします。
今回は専門知識がなくてもノーコードでAI/IoTを構築できるミドルウェア「Gravio」を使用しました。Gravioを使えば、プログラミングのコードを書く必要もなく、大学生のインターン生である私でも簡単に実装できました。
今回使用するのは右側のドーム型のONVIF対応のネットワークカメラです。
作業はGravio 公式ブログを参考にしながら進めていきます。流れは以下の通りです。
1.画像認識AI(IVAR)で行動検知の設定
2.GravioとIVARとの連携設定
3.Gravio Studioのデバイス設定
・エリアおよびレイヤーの作成
4.Gravio Studio データビューワでのデータ確認
5.滞在人数の算出
仮想の境界線を人が通過すると入退室を検知できる
まず、IVARの設定をします。
IVARで使用するカメラの画像に仮想の境界線を引きます。赤い境界線を人が通過すると、推論結果をリアルタイムで確認できます。
さらに、画像のように赤い矢印が向いている方向に人が通過した時には「前へ」(=入室)、逆方向に通過した時には「後ろへ」(=退室)としてカウントされます。
次にカメラを実際にオフィスの入り口に設置して、入退室の状況をリアルタイムにIVARで検出できることを確認します。
境界線通過すると推論結果が送信される
次に、GravioとIVAR連携の設定をします。
こちらの記事を参考にしながら、IVARにadminアカウントを使ってログインし、必要情報をメモします。
次は、Gravio Studioでデバイスの設定をします。まずはエリアとレイヤーを追加します。レイヤー名は「人数カウント」とし、レイヤーのデバイスタイプは「IVAR 人数カウント」を選択します。メモした必要情報を「IVAR メッセージの設定画面」にペーストし、IVARの設定をします。その後、Gravio Studioのレイヤーにチャネルをバインドして、論理デバイスを有効化します。
同じくこちらの記事を参考にしながら、Gorilla IVARでのGravioのSubscriptionを登録します。Gravio Studio「データビューア」に移動すると、さきほど設定した境界線を人が通過した時のIVAR推論結果をGravio Studioで確認できます。
この入退室データを、さらに積み上げることで今おおよそ何人いるか滞在人数を算出することができます。入退室のデータはGravio StudioからJSONデータでHTTP形式でポストできますので、例えばクラウドのBIツールなどに接続することでオフィス内の滞在人数の算出が可能です。
現役大学生がたった10分で設定できた
今回は、Gravioを使い、カメラAIの行動検知推論機能を活用したソリューションを実装してみました。操作自体は非常に簡単で、設定はインターン生の私でも10分ほどで完了してしまいました。
オフィスの滞在人数が増えてきたら、Gravioの警告ライトを点灯させることで通知するなど、アイデア次第でカメラAIとIoTセンサーを組み合わせたソリューションの実装が可能だと思います。
興味のある人はGravioの公式サイトを見てください。