新連載『文系大学生がAI講座受けてみた』では、大学では文学部で日本語学を専攻する文系の私が無料で学べるAI講座にチャレンジしていきます!
第1回となる今回は、スキルアップAI株式会社が提供する「AIジェネラリスト基礎講座」を受けてみました。
「AIジェネラリスト基礎講座」は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施するG検定に対応していて、「AI時代の教養」を身につけられる講座です。無料トライアル版では「第1章 人工知能(AI)をめぐる歴史と動向」の動画を視聴できます。さっそく視聴してみました。
本動画ではAIブームを基に、AIの課題や現在進められている研究について学べます。時間は約1時間40分。トライアル版のカリキュラムは以下のとおりです。
- イントロダクション
- 3度のAIブームについて
- 第一次AIブーム(探索と推論、トイプロブレム、形式ニューロン、ENIAC、チューリングテスト、ダートマス会議、パーセプトロン、ELIZA、フレーム問題)
- 第二次AIブーム(エキスパートシステム、知識表現の研究、意味ネットワーク、オントロジー、強いAIと弱いAI、シンボルグラウンディング問題、第五世代コンピュータプロジェクト)
- 第三次AIブーム(ディープ・ブルー、ワトソン、東ロボくん・ILSVRC・Googleによる猫認識・AlphaGo・スマートスピーカー)
- ワーク(ニューラルネットワークが成果を出し始めた背景、CPUとGPU)
- AIの将来(シンギュラリティ)
第一次AIブームに関する解説のなかでは「フレーム問題」について、現代においても本質的な解決はできておらず、AI研究の最大の難問と言われていて、「実行したい事柄に関係のあるものごとだけを選び出すことは非常に難しい」と話しています。スライドのロボットの絵での説明が非常にわかりやすかったです。
(「AIジェネラリスト基礎講座」より)
「シンボルグラウンディング問題」についてはディープラーニング(深層学習)によって解決されつつあるがまだ完全には解決していないと話しています。人間は記号(シンボル)とそれが表す意味内容を結びつけられますが、コンピュータはそれが難しいといった問題です。
シンボルグラウンディング問題でよく取り上げられる例「シマウマ問題」のスライド(「AIジェネラリスト基礎講座」より)
第一次AIブームでは厳格にルールの定まった問題(トイプロブレム)にしか役立たなかったAIが、第三次AIブーム(現代)では機械学習をベースにして統計的に推測して良い判断ができるようになってきていると知り、具体的にどのようにしてAIが進化したのかを理解できました。
また、みんなが知っている「常識」をAIにインプットさせることは「専門家の知識」をインプットさせるよりも難しいようです。
本講座の最後にはAIの将来についても言及しています。アメリカの未来学者であるレイ・カーツワイル氏の意見が有名ですが、「シンギュラリティ(AIが人類に変わって文明の主役に躍り出る時点)は2045年に到来する」という意見もあります。AIが人間を超える時はくるのでしょうか。
当初はいきなりPython講座を受けてみたいと思っていましたが、まずはAIの歴史について知っておこうということで本講座を受けてみました。私のようにAIについてあまりよく知らない人にぴったりだと思います。AIに興味のある人はまず本講座にチャレンジしてみては!