株式会社Smart119は6月15日、神奈川県川崎市と「AIを活用した救急隊の現場到着時間短縮に向けた実証実験に関する連携協定」を6月13日に締結したと発表した。
本協定に基づき、同社は川崎市の救急出勤に関する過去のビッグデータを解析し、AIにより救急需要を予測する実証実験を川崎市内で実施する。
政令指定都市のひとつで、人口約154万人におよぶ川崎市では、救急隊の出動件数が年間6万件を超えており、過密化などに従い119番通報からの平均現場到着時間が年々伸びる方向にある。
現場到着時間を短縮し、命を救う可能性を高める対策のひとつとして、救急需要が集中する地域を事前に予測することにより、その付近にあらかじめ救急隊を設置して救急出場を効率化する方法が検討されている。
Smart119は、令和3年12月実施の「川崎市PPPプラットフォーム意見交換会」(民間活用の枠組みによる対話の場)における検討事項説明を経て、この取り組みに関する協力企業に選定された。
同社と川崎市は、本年6月から9月末にかけて救急隊の現場到着時間短縮を目指した実証実験を実施。過去の救急出動に関するビッグデータを解析することによりAIを開発する。
そのAIを活用して救急需要を予測しその制度を机上で検証するほか、現在の川崎市における救急隊の配置場所などを評価する。
Smart119は現役救急医が設立した、千葉大学医学部発スタートアップだ。同社では、住民からの119番通報を消防指令センター、救急隊、医療機関の間でリアルタイムに共有することで、患者のたらい回しを防ぐとともに医療機関の迅速な受け入れをサポートする救急医療情報サービス「Smart119」を展開している。
さらに同社は心筋梗塞や脳卒中など重大な急性疾患を予測し、適切な救急搬送を促すAIアルゴリズムを千葉大学大学院医学研究院と共同で開発。救急医療現場におけるAIの活用に関する最先端のノウハウを有している。
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