AIスピーカー(スマートスピーカー)とは | 仕組み・機能・選び方・おすすめ14選【2020最新版】

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昨今、飛躍的に市場シェアを拡大させていているAI(人工知能)搭載のスピーカー(スマートスピーカー)。GoogleやAmazonを筆頭に、LINEやSONYなども、各社さまざまな製品を発表しています。

2019年AIスピーカーの世界販売台数は2億790万台に成長するといわれ、2018年の1億1400万台から、成長率は82.4%と大きく成長する見込みです。
参考:https://www.canalys.com/newsroom/canalys-global-smart-speaker-installed-base-to-top-200-million-by-end-of-2019

これらのAIスピーカーの発展には、音声解析技術はもちろん、「Hey, Siri」や「OK, Google」などのウェイクワードに代表される音声認識の技術が大きく貢献しています。

今回は、AIスピーカーの基本的な機能や使い方、2020年最新のおすすめ14機種を紹介していきます。

AIスピーカーとは?意味解説

Photo by yangjiepsy01 on Pixabay

AIスピーカーとは、話し手の命令を音声認識により抽出して、自然言語処理によって指示を理解し実行する機能を有するスピーカーのことです。

Amazon AlexaやGoogleアシスタントなどに代表されるAIアシスタント機能は、クラウドサービスとして構築されています。そのため、インターネットを経由してクラウドサービスに接続されているので、リアルタイムでユーザーの対応が可能です。

つまり、AIスピーカーは、AIが話し手の命令を音声で認識し、クラウドサービスに接続してさまざまな情報やサービスを引き出せる製品のことを指します。

AIスピーカーに使われている技術・仕組み

AIスピーカーが私たちの声に応対するのに、音声認識自然言語処理のふたつの技術が使われています。

–音声認識とは
音声認識とは、コンピュータにより音声データをテキストデータに変換する技術です。人間が言葉をそのまま理解するのに対し、コンピュータは、音響モデルや言語モデルを用いて音声を解析し、認識します。
–自然言語処理とは
自然言語処理(Natural Language Processing)とは、人間の言語(自然言語)を機械で処理することです。具体的には、言葉や文章といったコミュニケーションで使う「話し言葉」から、論文のような「書き言葉」までを対象とし、それらの言葉が持つ意味を解析する処理技術を指します

これらの音声認識自然言語処理の技術がAIスピーカーの中でどのように使われているか、AIスピーカーの仕組みとともに見ていきましょう。

AIスピーカーは以下の流れで私たちの要望に応対します。

  1. 音声をデータに変換する(音声認識
  2. データをクラウド(AIアシスタント)に送る
  3. AIがデータを理解する(自然言語処理
  4. クラウド(AIアシスタント)からの返答を音声で出力する

まず、音声認識によって音声データがテキストデータに変換されます。その後サーバに送られたテキストデータの意味を理解するのに自然言語処理がされることにより、音声の「意味」を理解します。このような仕組みで、AIスピーカーは私たちの要望に応対してくれます。

AIスピーカーが注目される理由

AIスピーカーが注目される理由のひとつに、AIスピーカーがVUIを搭載したデバイスであることが挙げられます。

— VUI(Voice User Interface)とは
「VUI」とは、「Voice User Interface(ボイスユーザーインターフェース)」の略です。
声によるインターフェース、つまり、声によってあらゆる情報をやり取りすることを指します。

音声のみでデバイスとやりとりができるため、スマートフォンのフリックや、パソコンのキーボードといった入力方法の代わりになる点で注目されています。

VUIがなぜ今注目されているのか

VUIが注目される理由として「声というものが、私たち人間にとってもっとも自然なコミュニケーション方法である」ことが挙げられます。

たとえばキッチンタイマーを考えてみてください。AIスピーカーに「タイマーを10分に設定して」と話し掛けるだけでタイマーをセットできます。電子レンジのほんのわずかなボタン操作ですら不便に思う日が来るとは、一体誰が想像したでしょうか。

また、VUIが注目されるようになった要因として、スマートフォンやAIスピーカーが普及したことで、VUIが活躍する場、つまり音声だけであらゆるものとやりとりを行える場が広がったことが挙げられます。

AIスピーカーの主な機能

Photo by Clker-Free-Vector-Images on Pixabay

AIアシスタント機能

AIアシスタント機能とは、AIスピーカーに声をかけると音声を認識し、対話形式で日常をアシストしてくれる機能です。
これまでリモコンやスイッチで行っていた手動操作から解放されて、声だけで操作することが可能です。
Google Homeの「Google アシスタント」やAmazon Echoの「Alexa」などが代表的です。また、今後はLINE「Clova WAVE」のように、複数の会話のやりとりを楽しめる「連続会話」機能に対応したモデルも増えていきそうです。

IoT家電の操作

IoT家電とは、インターネットに接続してスマホやAIスピーカーで操作可能な家電のことです。
照明・エアコン・テレビ・ロボット掃除機などが主に対応しています。
たとえば、仕事や子育てで手が離せない時でも、「電気をつけて」「温度を下げて」など声を出すだけで家電の操作が可能です。

音楽再生

Google Homeなら「Google Play Music」、Amazon Echoなら「Amazon Music」、LINE「Clova WAVE」なら「LINE MUSIC」など、各社の音楽配信サービスとも連携しているため、そのときの気分に合わせた音楽を再生したり、特定のアーティストや楽曲を指定して再生することが可能です。
また、ソニー「LF-S50G」やApple「HomePod」などは、スピーカーの音質の良さが特徴であり、音響にこだわることもできます。

AIスピーカーの選び方

AIスピーカーにはたくさんの種類があるため、自分にあったAIスピーカーを選ぶためには、それぞれの特徴を知っておく必要があります。

Photo by Arek Socha on Pixabay

自分が使いたい機能からAIスピーカーを選ぶ

ーAmazon Echo
「Prime Music」などの音楽視聴のほかにも、「Kindle」や「Audible」といったサービスに対応していて、書籍を朗読してくれます。
ーGoogleアシスタント
GoogleマップやGoogleカレンダーとの連携が便利です。毎日のタスク管理だけでなく音声で新しく予定を追加したり、目的の場所までのアクセス方法を確認したりすることも可能です。
ーLINE Clova
LINEアプリと連携できる点が最大の強みです。メッセージの読み上げや送受信はもちろんのこと、スピーカーを経由してLINE通話もできます。

他にも、外観から選ぶことも良いでしょう。
LINE ClovaはおなじみのLINEキャラクターをモチーフにしたものが人気ですし、Googleアシスタントを搭載したSONYのAIスピーカーは高音質でシックなデザインです。

AIスピーカーの種類14機種紹介

ここでは代表的なAIスピーカーを14機種をご紹介します。製品比較表と表の下にそれぞれの製品の特徴の詳細を記載しています。

商品画像搭載AIアシスタント価格(税込)特徴
Google HomeGoogleアシスタント1万5,400円・音声認識率◎
・Google各種サービスとの連携可能
・音声通話×
Google Home MiniGoogleアシスタント6,600円Google Homeの機能に加え
・低価格、コンパクト
Google Nest HubGoogleアシスタント1万5,400円Google Homeの機能に加え
・ディスプレイ付で動画再生など可能
Amazon EchoAlexa1万1,980円・Amazonの各種サービスとの連携可能
(音声のみでAmazonで買い物など)
Amazon Echo DotAlexa5,980円Amazon Echoの機能に加え
・低価格、コンパクト
Amazon Echo Show 5Alexa9,980円Amazon Echoの機能に加え
・ディスプレイ付で動画、ビデオ通話可能
Clova FriendsClova8,800円・LINEアプリと連携(通話◯)
・豊富なキャラクターデザイン
・バッテリー搭載
Clova WAVEClova1万4,260円・LINEアプリと連携(通話×)
・バッテリー搭載
・Clova Friendsより高音質
Clova DeskClova2万8,050円・LINEアプリと連携(通話◯)
・バッテリー搭載
・ディスプレイ付で動画、ビデオ通話◯
LF-S50GGoogleアシスタント1万8,700円・音質◎
・本体に時刻を表示可能
G3Googleアシスタント2万7,368円・音質◎(特に中低音◎)
・ほかのワイヤレススピーカーとの連動可能
BOSE Home speaker 500Googleアシスタント/Alexa5万1,700円・音質◎
・Googleアシスタント/Alexa搭載
ONEGoogleアシスタント/Alexa2万3,800円・音質◎
・AirPlay対応
・Googleアシスタント/Alexa搭載
JBL LINKGoogleアシスタント1万9,880円・音質◎
・Googleアシスタント/Alexa搭載
・防水
・電池持続◯

Google Home | Google

  • Google Home

出典:https://store.google.com/jp/product/google_home

世界的な検索エンジンGoogleが誇るAIスピーカーです。世界中から集められたビッグデータを元に、高い認識機能を誇ります。とくに2019年10月に発表された自然言語処理能力は高く評価されていて、話し言葉の持つ微妙なニュアンスにもしっかりと対応してくれているようです。スピーカーの性能が良いため高音質であることが特徴です。


  • Google Home Mini

出典:https://store.google.com/jp/product/google_home_mini

「Google Home Mini」の特徴は「サイズがコンパクトで値段が安くカラーバリエーションも選べる」ことです。「Google Home」の定価が1万5400円に対し、「Google Home Mini」の定価は6600円です。色はチョーク、チャコール、コーラル、アクアの4色から選べます。直径9.8cm、高さ4.2cmと、サイズもコンパクトです。


  • Google Nest Hub

出典:https://store.google.com/jp/product/google_nest_hub

「Google Home」のディスイプレイ付製品。タッチパネルの搭載により、ディスプレイでの各種設定やコンテンツの選択といった音声以外の操作が可能になり、操作性や使い勝手の点で、AIスピーカー初心者にも優しい仕様となっています。音声操作でレシピを見たり、音楽をかけたり、動画を視聴できます。

Amazon Echo | Amazon

  • Amazon Echo

出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B071ZF5KCM

Amazonが提供するAIスピーカーです。早くからAIスピーカーというジャンルに注力しており、使用目的などに応じて豊富なラインナップが登場しています。ECサイトの強みを活かし、音声のみで買い物ができる点が便利です。


  • Amazon Echo Dot

出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B07PFFMQ64/

Echoシリーズの中では比較的お手頃価格。サイズも高さ43mm、横幅99mmとコンパクトでさまざまな場所に設置可能です。音楽の再生、ニュースの確認、家族や友だちとの通話、対応スマート家電の操作ができることに加え、最新モデルではLEDディスプレイを搭載し、時刻や外気温、タイマーの表示が可能になりました。


  • Amazon Echo Show 5

出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B07KD87NCM/

Amazonのスマートディスプレイ製品。5.5インチのスマートフォンサイズのディスプレイが搭載されたことで、音楽だけでなくYouTubeなど映像も楽しむことができます。

LINE Clova | LINE

  • Clova Friends

出典:https://clova.line.me/clova-friends-series/clova-friends/

国内アクティブユーザー数8100万人以上(2019年6月時点)を誇る「LINE」。そのLINEの人気キャラクターである、ブラウンとサニーがモチーフとなっているのが「Clova Friends」シリーズです。現在、好評で品切れ状態が続く、ミニオンズのボブとケヴィンをモチーフにした商品などさまざまに展開されています。


  • Clova WAVE

出典:https://clova.line.me/wave/

  • 価格:1万4,260円(税込)
  • https://clova.line.me/wave/
  • AIアシスタント:Clova
  • ウェイクワード:「ねぇClova(クローバ)」

ルームランプのようなおしゃれな外観をしたAIスピーカーです。最大の特徴は、バッテリーを搭載している点で、電源に接続していない状態でも使用が可能です。また、豊かな低音と広がりのあるサウンドを楽しめます。


  • Clova Desk

出典:https://clova.line.me/desk/

  • 価格:2万8,050円(税込)
  • https://clova.line.me/desk/
  • AIアシスタント:Clova
  • ウェイクワード:「ねぇClova(クローバ)」

LINE Clovaのディスプレイ付きモデル。7インチのディスプレイで天気や料理レシピ、歌詞などを見ることができます。また、IRと赤外線リモコンを搭載しており、リモコンを使用せずに、テレビやエアコンを操作することができます。

その他のデバイス

  • LF-S50G |SONY

出典:https://www.sony.jp/smart-speaker/products/LF-S50G/

SONYが販売するAIスピーカーです。ホワイト、ブルー、ブラックの3色展開で、リビングにも寝室にもマッチするデザインが特徴となっています。
フルレンジ48mm、サブウーファー53mmのスピーカーを採用し、クリアな高音迫力のある重低音を再現しています。


  • G3 |ONKYO

出典:https://www.jp.onkyo.com/audiovisual/smartspeaker/g3/

オンキヨーのAIスピーカーです。スピーカーとしての機能を優先させており、多くのAIスピーカーが360°を意識した円筒形の機種が多い中、360°型ではなく、前方向に集中したデザインになっています。最大の特徴は、オンキヨー以外にもパイオニアブランドのワイヤレススピーカーとの連動が可能な点です。G3に命令することで、連動したスピーカーを操作することも可能です。


  • BOSE Home speaker 500 |BOSE

出典:https://www.bose.co.jp/ja_jp/products/speakers/smart_home/smart_speakers.html

世界的な音響メーカー「BOSE」が販売するAIスピーカーです。AIアシスタントはGoogleアシスタントとAmazon Alexaに対応。初期セットアップの際にどちらかをアクティベートさせて使う仕様ですが、後で変えることもできます。AIスピーカーでよく見かける円筒形のデザイン以外に、サウンドバータイプもラインナップされています。インテリアとサウンドを両立させたい方に人気のアイテムです。


  • ONE|Sonos

出典:https://www.sonos.com/ja-jp/shop/one.html

  • 価格:2万3,800円(税込)
  • https://www.sonos.com/ja-jp/shop/one.html
  • AIアシスタント:Googleアシスタント、Alexa
  • ウェイクワード:「OK Google(オーケー、グーグル)」「Alexa(アレクサ)」

音質に定評がある「Sonos」が販売するAIスピーカーです。最大の特徴は、AirPlayに対応している点です。iPod/iPad/iPhoneそしてパソコンのiTunesから、Wi-Fi経由で使用可能。さらに、複数のスピーカーをネットワーク上で結んで同時再生ができ、ステレオスピーカーとしても使用が可能です。


  • JBL LINK | JBL

出典:https://jp.jbl.com/JBL+LINK+20.html?dwvar_JBL%20LINK%2020_color=White-Japan-Current&cgid=smart-speakers#start=1

JBLが販売するAIスピーカーです。最大の特徴は、表面に使用されている防水生地素材と6,000mAhのリチウムイオン電池。最大10時間の連続再生が可能なため、キャンプなどアウトドアでも活躍します。

AIアシスタントの今後の可能性

Photo by StockSnap on Pixabay

AIアシスタントの用途は広がりを見せています。

iProspect Japan COOの渡辺大吾氏は、AIアシスタントについて「今後はユーザーが自発的に使おうとしなくてもさまざまなデバイスに搭載され、より身近な存在になる」と語っています。

――渡辺
「音声は年齢、属性、業界関係なく、ほとんどの人がアクセス可能なコミュニケーションツールです。今後はスマートフォン、AIスピーカーだけでなく、家電などにも急速に搭載されていくでしょう」

加えて、AIアシスタントは災害対策としても活用の可能性があると渡辺氏はいいます。

――渡辺
「声はコミュニケーションの中で一番物理的に伝達が速い方法です。緊急時にはもっとも有効な手段となるはずです。災害の際にも、事前に予測してアラート発報はもちろん、避難経路や避難場所などに声でアクセスできるのが理想ですよね」

AIアシスタントの用途が広がりを見せ、今後私たちの生活に溶け込むことで、AIスピーカーの活躍のフィールドは一層拡大していくでしょう。