ソフトバンク、新卒採用の選考にAI活用 選考時間削減と客観的評価を目的

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ソフトバンク株式会社は5月25日、同社の新卒採用選考にAIシステムを2020年5月末から導入すると発表した。このAIシステムは、株式会社エクサウィザーズとソフトバンクが共同開発したものだ。

開発したAIシステムは、ソフトバンクで現在実施している動画面接での評価に活用する。AIシステムが合格基準を満たすと判定した動画については、合格として次の選考に進む、というものである。

動画面接の選考作業にかかる時間を約70%削減へ

ソフトバンクでは、応募者の選考会場への移動にかかる時間や費用の削減を目的に、総合職のエントリーシート選考後に実施していたグループディスカッションや集団面接を廃止していた。そこで実施しているのが動画面接だ。

動画面接とは、事前に設定された質問に対する回答を応募者が動画で提出する形式である。以前からソフトバンクでは、インターンシップの参加者選考で導入していた。

今回、ソフトバンクがAIシステムを動画面接の選考に活用することで、動画面接の選考作業にかかる時間の約70%削減を見込んでいる。また、応募者をより客観的かつ統一された軸で評価することも目的としている。

活用するAIシステムには、インターンシップの選考で提出された動画データと、採用担当者による評価などを、エクサウィザーズの動画解析モデルに学習させている。そのため、新たに提出された動画の評価を自動で算出可能だ。

先に記載のとおり、AIシステムが合格基準を満たすと判定した動画については合格として次の選考に進む。一方で、不合格と判定した動画については、人事担当者が動画を確認し、動画面接の合否の最終判断をすることで選考の正確性を担保する。

ソフトバンクでは、AIシステム活用によって創出された時間を、インターンシップの拡充や、新たな人材へのアプローチなど、応募者とのマッチングを促進するための、新たな取り組みに充てていく。

また、ソフトバンクは現在実施している動画面接について、「応募者との対面での接触が発生しないため、新型コロナウイルス感染症の影響下において、結果的に応募者と社員の安全確保につながりました」とプレスリリースで述べている。動画面接以降の面接は、オンライン会議システムを活用し、応募者と面接官が遠隔地からコミュニケーションを取る形式で実施しており、当面もこの形式を継続するという。

>> プレスリリース

AIが面接官をする取り組み 時間場所問わず面接可能

面接時にAIを使う取り組みは今後も増えそうである。ソフトバンクでは、提出された動画を分析し、定量評価を出すためにAIシステムを活用するが、面接自体をAIが実施するソリューションもある。

株式会社吉野家では2019年4月から、アルバイト採用において株式会社タレントアンドアセスメントが提供するAIを使った面接サービス「SHaiN」を導入している。

SHaiNは、AIがヒアリングし、専門スタッフが面接レポートを作成するサービスだ。受験者はスマートフォンから、24時間365日、いつでもどの場所からでもAI面接官と対話しながら面接を進められる。時間、場所を問わず面接できるため、面接場所への移動や費用、面接官と受験者の日時調整なども不要となる。

吉野家では、応募者のドタキャンによる機会損失の削減や、雇用条件にマッチした応募者を採用できるようになったなど、2018年に実施した試験導入から効果を得られ本導入に至った。

新型コロナウイルスの影響もあり、しばらくは「対面」での接触は控えられる限りは控えたほうが望ましい。しかし、採用においては対面接触を避けることは難しいというジレンマが起きている。

そのため今後は、ソフトバンクのように動画やオンラインでの面接形式はもちろん、株式会社タレントアンドアセスメントのAI面接官のようなサービスを活用する企業が増えていきそうだ。