画像は同社HPより
ソフトバンク株式会社は2023年3月10日、持続性が高い自動運転サービスの早期社会実装を目指して、竹芝エリア（東京都港区）で自動運転の走行経路の設計や遠隔監視の運行業務などをAIで完全無人化する実証実験を、2023年1月に開始したことを発表した。
背景
自動運転は、2023年4月の改正道路交通法の施行に伴って、レベル4（高度運転自動化/特定条件下でシステムが運転制御を実施）が解禁される。自動運転の実用化には、ドライバー不足の解消や交通事故の削減などさまざまな期待が高まる一方で、サービスの提供に多くの機能やシステムが必要となり、導入のコストや維持費の高さが課題として挙げられるという。同社は自動運転のレベル4の解禁やこれらの課題解決を見据え、持続性の高い自動運転サービスの早期社会実装を目指し、運行業務の無人化などに向けた実証実験を実施するとのこと。
実証実験概要
自動運転のシステムに関する検証
改正道路交通法の施行に伴い、特定自動運行を行う際に運用や緊急時の対応を担うため設置が義務付けられている「特定自動運行主任者」は、車内もしくは遠隔で対応することが可能であるとされるため、同社は将来的な運行業務の無人化を見据え、遠隔での運行システムに関する以下の研究開発を進めているという。
■車外の遠隔監視AIによる自動化
監視者が対応する上で必要な情報を自動で取得・編集する遠隔監視のAI（人工知能）を開発し、そのAIを活用した検証
■自動運転車内の運行支援システムの開発
最先端のセンシング技術などで人の有無や転倒検知など車内の状況を自動的に分析し、分析の結果に応じて音声案内や遠隔監視者との連携を行うなど、複数の機能を搭載した運行支援システムの開発。
デジタルツインによる運行の最適化に関する検証
自動運転では、走行コースを自動運転システム（ADS：Autonomous Driving System）で学習し運転を実現するため、運行設計領域（ODD：Operational Design Domain）の策定が必要になるという。また、自動運転の運行システムの品質向上のために、的確なフィードバックも必要とのこと。
■シミュレーションによる経路設計の自動化
デジタルツインによる仮想空間と、事故データや交通データ、人流データなどを活用して、シミュレーションによる走行経路の効率的な分析を行い、最適な走行経路を自動的に算出する技術の検証
■自動運転の運行システムへのフィードバック
自動運転車の走行時に発生する事象をプラットフォームに集約してシナリオ化し、さまざまな自動運転の運行システムの品質向上を支援するための検証
これらの検証概要を含む同社のR＆D部門「先端技術研究所」のさまざまな取り組みを紹介する技術展「ギジュツノチカラ ADVANCED TECH SHOW 2023」が、2023年3月22～23日に開催されるとのこと。
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