ソフトバンク副社長「日本は先進国とは言えない」データ活用を批判

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ソフトバンク株式会社が6月1日に実施した法人事業説明会のなかで、ソフトバンク株式会社 代表取締役副社長執行役員 兼 COOの今井康之氏が「今、日本はデータ活用においては、本当に先進国とはまったく言えない状況です」と、日本のデジタル化の現状を批判する場面があった。

同説明会では、ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一氏がこれまで同社はスマホやタブレットなど通信事業を展開してきたが、今後は企業や自治体などのDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進事業に転換していくことを明らかにした。

「通信事業から、企業のDX、これから先は社会のDXにゲームチェンジしていこう。これがわれわれの基本的な大戦略です。デジタル化は止まらなくて、これからどんどん加速する方向にあります」(宮川潤一氏)

同社はソフトバンクに加え、ヤフー株式会社、PayPay株式会社、LINE株式会社といった顧客接点を持つ。宮川潤一氏はDX推進にあたっては、このような顧客接点が大きな強みになると話す。

たとえば、ソフトバンクが構想する人工知能(AI)を活用するデータ連携基盤では、車両や交差点、街頭カメラの情報を共有。車両Aの景色を車両Cでも見られるため、5秒前や1分前の「子どもが飛び出してきた」「子どもが飛び出しそう」といった情報を得て、交通事故を未然に防げるようになるという。

宮川潤一氏は「社長になって私のスローガンとして『日本をDX先進国にする』という宣言をしています。われわれは通信業界からDXの会社に変革します。もちろん、わが社だけではなく、パートナー企業も一緒にDX事業を手がけてもらいます。日本全体をDX先進国にし、日本をもっと元気にして国力を上げるプロジェクトだと思っています。真剣に取り組みたいと思っています」と語った。

今井康之氏は、日本のデジタル化の現状について「今、日本はデータを活用する部分においては先進国とは言えない状況です」と日本のデジタル化の現状を批判し、「ソフトバンクはそれを一気に打開していくことを担っていきたいと思っています」と意気込みを述べた。

※一部、加筆しました。(6月1日 22時42分)