孫正義さん「69歳過ぎても社長をやっているかも」「AI情報革命に注力したい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

人工知能(AI)企業への投資に注力する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」で知られる、ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員の孫正義さん

ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員の孫正義さんは6月23日、第41回定時株主総会のなかで、後継者問題について「最近、予防線の意味も含めて、物理的年齢の69歳を過ぎるかもしれないと何度か言い始めています。もしかしたら、69歳過ぎても社長をやっているかもしれません。あるいは、社長は誰かに任命して、私は会長として69歳を過ぎても経営に深く関わっているかもしれません」と回答した。

「『どういう形でバトンを引き継ぐか』は最重要テーマとして常に考えています。69歳ぐらいまでには次の後継者の目星をつけて、経営の舵取り(かじとり)を徐々に引き継いでいくことをやらなければいけない。今は『ソフトバンク・ビジョン・ファンド』の事業にほとんど集中していますが、あわせて後継者選びは私の最重要な仕事の1つだと思っています」

ソフトバンクグループと言えば、5月12日に実施した2021年3月期 決算説明会のなかで、純利益が4兆9880億円と日本企業の利益としても過去最高額を記録したことを正式に発表したばかり。好調の理由は孫正義さんが集中していると語る「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」のAI企業への投資によるものが大きい。

孫正義さんは「『事業家としての孫正義は好きだけど、投資家としての孫正義は好きではない』と多くの方に言われました。私自身、単なる投資家とは少し違うのだけど、説明が長くなるので、『ソフトバンクグループは今後、投資会社になる』と説明を割愛してきました」と不満を明らかにし、今回新たにソフトバンクグループを「情報革命の資本家」と位置づけた。

19世紀の産業革命においては「発明家」と「投資家」が重要な役割を果たした。孫正義さんはその代表的な人物として、発明家のジェームズ・ワット、投資家のロスチャイルドを挙げている。ロスチャイルドは鉄道(物流革新)や油田(エネルギー供給)などに投資した。

21世紀の情報革命においては「起業家」と「資本家」が重要な役割を果たす。孫正義さんはアップルのスティーブ・ジョブズ、マイクロソフトのビル・ゲイツなどの起業家が情報革命に火を付け、資本家が多くの資本を投入したと振り返る。

ソフトバンクグループを「情報革命の資本家」と位置づける孫正義さんは「ソフトバンクグループはこれから情報革命の最先端である、AIを使った情報革命に注力したいと考えています。おそらく、AIを使った情報革命においては資本をもっとも大きく提供しているのがわれわれソフトバンクグループではないかと自負しています」と話す。

孫正義さんは「産業革命は『人力』を『機械』に置き換えるという大きな流れでした。情報革命は『機械』を『AI』に置き換える革命であると認識しています。産業革命の資本家としての中心人物がロスチャイルドだとするならば、われわれソフトバンクグループは情報革命の資本家としてのキープレイヤーになりたいと思っています」と意気込みを述べた。

一方で、質疑応答では「自社株買い以外で株価を上げられない事実をどのように認識しているのか?」と質問され、孫正義さんが「なかなか厳しいご指摘です」と苦笑いする場面もあった。

「『自社株買い以外で株価を上げられない』。経営者、創業者の私としては悲しい言葉です。自社株買いは株主還元の重要な手法の1つですし、私もいつも株主として自社株買いはしたいと思っています。(しかし、)『それでしか株価を上げられない』。大概にしてほしい」

孫正義さん「自社株買いをしていなくたって、われわれは業績をどんどん伸ばしていって、株主価値を伸ばしていって、毎年43%株主価値を増やしていきました」「私がどれだけ命がけでソフトバンクグループの経営をしているか」「そればかり気にされるのも少し悲しい」と不満を漏らした。

ソフトバンクG孫正義さん、AI革命に熱意「10兆円でも満足しない」

なお、孫正義さんが純利益4兆9880億円を記録した際の想いを語った2021年3月期 決算説明会の様子は、以下の記事をチェックしてほしい。