孫正義さん、iPhone開発時スティーブ・ジョブズさんに「パンツ漏らすぞ」と言われた

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ソフトバンク株式会社とSB C&S株式会社が9月15日に開催した「SoftBank World 2021」の基調講演のなかで、ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員 孫正義さんが、iPhone開発時にスティーブ・ジョブズさんに「おまえ、パンツ(のなか)漏らすぞ」と言われたことを懐かしむ場面があった。

日本はかつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われ、競争力があり、GDPはアメリカに次ぐ世界2位だった。しかし、日本の競争力は次第に低下し、2021年現在では31位だ。GDPは中国に抜かれ、3位に転落した。

「競争力が低迷しているということは、これからGDPもほかの国々にどんどん抜かれてしまうのではないか。私は日本の危機だと思っている」

孫正義さんは、競争力を「労働人口」と「生産性」で成り立っていると持論を展開。現在、日本の労働人口は減少しており、2050年には4640万人になると予測されている。生産性も低迷している。

「日本はこのまま衰退するのか? ほとんどの人が日本は衰退するけど、『小さくても美しい国』『それで良いのではないか』『観光立国・日本』と思っている。観光立国も大事だが、古き良き都というような話ばかりでは少し寂しい。住みよい街、美しい街でいてほしいが、競争力も復活してほしい」

孫正義さんが「日本復活の鍵」として挙げたのはスマートロボットだ。孫正義さんはスマートロボットをスマボの略称で呼んでおり、「おそらく、僕が作った造語ではないか」と話している。

かつて日本ではガラケーが主流だったが、ソフトバンクがアップルとタッグを組んでiPhoneを発売したことをきっかけにスマホに移り変わった。

スティーブ・ジョブズさんは秘密主義なので、開発時にはiPhoneの試作機を見せてくれなかったとしつつも、孫正義さんは「マサ、おまえ、iPhoneが出来たときに見せたら、パンツ(のなか)漏らすぞと言っていた。漏らしはしなかったが、両膝がガクガク震えるほどの感動だった」と振り返った。

ガラケーからスマホに移り変わったように、今後は従来のロボットであるガラボからスマボに移り変わると予測する。ガラボは人がプログラミングし、決まった動作をするため、一部の産業にしか導入されていない。スマボはAIで自ら学習し、臨機応変に動作するため、あらゆる産業で使われていく。

「むしろ、人間のほうがより機械的で、柔軟に学習していくスマボのほうがよりフレキシブルで臨機応変だ。ロボットのような人間と人間のようなスマボ。位置が逆転するのではないかと思えるような世界がこれからやってくる」

人間の労働時間は8時間だが、スマボが24時間労働できる。労働時間は3倍だ。AIの活用で生産性は3.5倍になると言われている。孫正義さんはスマボ1台あたり労働時間3倍×生産性3.5倍=競争力10倍になると予測する。

孫正義さんは「もし日本にスマボが1億台導入されれば、労働人口に直して10億人に相当する国に生まれ変わる。日本の労働人口が約5000万人だとすると、その20倍になる」と大胆に語った。

孫正義さんは「ロボット好きの私としては、いやいやソフトバンクも実はロボット事業をやっていましたと世界に言いたい。Pepper(ペッパー)だ。われわれも数年前に華々しくPepperをデビューさせた。現在はうなだれている」と自虐的に語りつつも、ソフトバンクグループではパートナー企業とともにロボットの取り組みそのものは続けていると話す。

「われわれソフトバンクグループは最先端のスマボ企業集団として、18社のロボット企業群になった。ソフトバンクの軍戦群だ。おそらく、グループのなかに18社もスマボ企業を抱えているのは世界でわれわれが1番進んでいるのではないか。自動運転、手術、清掃、倉庫、何から何までやっている」

孫正義さんは「日本復活の鍵はスマボだ。今日は洗脳するかのように何回も何回も言った。ガラボからスマボへ。『ガラボさよなら、こんにちはスマボ』というような感じで、これから新しいスマボの時代が来る」と訴えた。

「みんなで一緒に明るく楽しく、光り輝くような日本の未来がこれから来ることを僕は心から願っている。もしかしたら、そういうふうにできるのではないか。諦める必要は絶対にない。『やりたい、やるんだ!』という想いがあれば、必ず道は開けると信じている。少なくとも、われわれソフトバンクグループはAI(人工知能)情報革命の最先端に資本家として、どんどんみなさんを応援していきたい」