ソニーグループのNeural Network Console クラウド版、国内最速のABCIと連携し、安価なGPUリソースの提供開始

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ソニーネットワークコミュニケーションズは、誰でもディープラーニングが開発できるプラットフォーム「Neural Network Console」のクラウドサービスと、新たに国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)が構築、運用する産学官共同のAI開発プラットフォームABCI(AI Bringing Cloud Infrastructure)とが連携したことを発表した。

ABCIは、世界最大規模の人工知能処理向け計算インフラストラクチャ。スーパーコンピューター性能ランキングでは世界7位、国内では最速をマークしている。この連携により、Neural Network Console クラウド版は既存のGPUリソースに加え、ABCIのGPUリソースが選択できるようになる。高スペックかつ安価なサービスの利用が実現する。

AI開発のハードルを下げるSONY Neural Network Consoleとは?

ディープラーニングモデルの開発ハードルをなくすべく生まれたAI開発ツール、Neural Network Console。特徴は、最初から最後までプログラミング不要でディープラーニングが実装できることだ。最適なネットワークの構築を自動化する機能などもついていて、ドラッグ&ドロップにより直感的な操作が可能だ。

現在、簡単にディープラーニングが実装できるGUIツールとして、専門的知識を持たない部署でも幅広く活用されている。

GPUリソースを最安値で提供。さらに国内最速の性能も実現

現在、本サービスは業界最安値帯だ。Neural Network Console クラウド版で提供していた既存のGPUリソースと同スペックで比較しても、圧倒的な安さで提供されている。

ABCIメニュー
・ABCI G.large (4GPU) : ¥1650 (学習/評価1時間あたり)
・ABCI G.small (1GPU) : ¥300 (学習/評価1時間あたり)

既存メニュー
・Tesla V100 GPU×4 : ¥2900 (学習/評価1時間あたり)
・Tesla V100 GPU×1 : ¥560 (学習/評価1時間あたり)

ソニーネットワークコミュニケーションズ以外の各社と比較しても、1GPUのもので学習/評価1時間あたり450円前後が相場となっている。ABCIとの連携によりソニーネットワークコミュニケーションズが業界最安値帯での提供を実現していることがわかる。

※申込後、産総研でのABCI利用審査を経て利用開始となる。
詳細は以下を参照 : https://dl.sony.com/ja/cloud/abci/index.html

このサービスで安価な価格帯と国内最速の高性能を両立させているのは、産総研とソニーグループとが産学官共同で、幅広い産業でAI開発を加速させる意図からくるものだ。AIエンジニアでなくてもディープラーニングのモデルが構築できる、AIの民主化への一歩だろう。

AI開発ハードルを下げ、産業に貢献

Neural Network Console クラウド版は“ゼロからの習得も十分可能”なAI開発ツールだ。そのため、産業、職種、企業の大小に関わらず、AIを取り入れることが簡単にする。AI市場の発展と、それにともなうAI人材不足に応える形で、AI開発の技術面でのハードルを大きく下げたのが、Neural Network Consoleといえる。

それだけでも革新的であるのは違いないが、今回のNeural Network Console クラウド版とABCIとの連携により、高性能なコンピューティングリソースを安価に提供することが可能になった。AI開発の技術的なハードルと、コスト面のハードルの両面を下げ、以前にも増して広範にAI活用を促進する役割を担いそうだ。

Neural Network Console