総務省、AIクラウドサービスのガイドブックを公表 AIを使った新事業開発の指針に

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総務省は2月15日、クラウドサービス事業者がAI(人工知能)を用いたクラウドサービスの開発や提供をする際に留意すべき事項をまとめた「AIを用いたクラウドサービスに関するガイドブック」を公表した。

現在、AIに関しては技術水準が向上し、すでにさまざまな商品・サービスに組み込まれ、ビジネスや生活といった多様な場面での社会実装が本格化しつつある。普及が加速しているクラウドサービスに関しては、クラウドサービス事業者において、AIの活用による自社サービスの付加価値向上を目指す取り組みが活発化しつつあり、今後もAIを用いたクラウドサービスのさらなる進展が期待されている。

一方で、AIクラウドサービスの提供では、提供者においてAIの出力結果の精度などを利用者に約束することが難しいケースが多い。利用者としても、自分自身がリスクを負うサービスの導入には慎重にならざるをえない現状があるという。

提供者は利用者からの信頼獲得とトラブル発生防止の観点において、AIの特性を踏まえて、自社サービスの機能に関わる性質や責任を利用者が正しく理解する必要がある。しかし、1つのサービスに多数の利用者が紐付くクラウドサービスにおいて、適切かつ効果的な情報提供のあり方が不明確であるという課題も存在する。

こうした背景から、総務省は2020年度にAIを用いたクラウドサービスに関する調査研究を実施し、学識経験者や弁護士、事業者などの有識者からなる検討会とワーキンググループにおける検討を踏まえ、本ガイドブックを作成した。

本ガイドブックは、以下の2点を目的としている。

  • AIクラウドサービスの効果的・効率的な実現方法について具体的な開発の流れ
    を体系的に整理するとともに、開発の各プロセスにおいて開発者が留意すべき点
    をまとめて提示すること。
  • クラウドサービス事業者が利用者にAIクラウドサービスを提供する際、利用
    者の信頼を獲得しつつ市場を拡大していくために推奨する自主的な取り組みを提言すること。

総務省は本ガイドライン内で、「クラウドサービス事業者が本ガイドブックを参照することにより、AIを使った新しいサービスや事業を開発するための指針となり、利用者に対する適切な措置を自主的に講じることにより、利用者を含むさまざまなステークホルダからの信頼が醸成され、それがAIやクラウドサービスのさらなる需要につながり、国内におけるAIクラウドサービスの社会実装が促進されることを期待する」としている。

また、本ガイドブックは、AIクラウドサービスを提供する人が、利用者の信頼の獲得と市場の拡大に推奨される取り組みをガイドするものであり、法的な拘束力を持つものではなく、当事者間における交渉や契約の自由を制約するものではない。

総務省は、AIの技術は現在も進化の途上にあるため、今後の見直しによって本ガイドブックの内容を変更する可能性もあるとした。

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