ボストン・ダイナミクスのロボット犬、電力設備や工事現場で活躍

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今年に入ってからボストン・ダイナミクスのロボット犬「Spot」の活躍の幅が広がっている。SpotはYouTubeで動画が公開され話題になったので、知っている方も多いだろう。

ボストン・ダイナミクス社はSpotのSDK(ソフトウェア開発キット)をGitHub上で公開し、ユーザー開拓に力を入れ始めている。

今回はSpotがどのような場面で活躍する可能性があるか、日本での活用事例も交えて見ていきたい。

土木工事現場などの建設業界に実験導入進む

画像はソフトバンクプレスリリースから

2020年1月に中部電力株式会社が、2020年2月20日には鹿島建設が相次いでソフトバンクロボティクス(以下SBロボティクス)及びソフトバンク(以下SB)と協業し、電力作業・土木工事現場においてSpotの実証実験並びに本格活用に向けた検討を開始した。

労働人口の減少と技術者の高齢化に伴う将来的な就業者不足に対応するため、土木工事業界では新規入職者の確保と生産性の向上が急がれる。そのなかでも、安全管理は労働者保護の観点からも重要な対策のひとつとされる。これに対応すべく、現場巡視や進捗・安全管理に向けてSpotの導入へと踏み出したという。

実験では、360度カメラを搭載したSpotを制御室から遠隔操作することで、工事箇所の写真撮影やメーターなどの計器点検を行った。さらに、予め設定したルートに沿って自律歩行できる特性を活かし、巡視を行うと同時に足場の悪い工事現場での適応性も確認した。歩行中に得られたデータを分析・改良することで、工事現場への適応性を向上させ、更に安全で効率的な運用が行えるようにした。

この実験が進むことで、鹿島建設と中部電力は建設業界などにおける生産性や安全性のさらなる向上を図り、業務の効率化を目指すという。

Spotの購入方法、利用方法は?

画像はBostonDynamicsホームページから

Spotは今現在一般販売されていない。アーリーアダプター向けに登録フォームが用意されており、そこに情報を記入して個別に商談するという形だ。大型犬程度の大きさながら、価格は自動車並みだという。

現在、購入または貸し出しされている主な顧客は、上記で取り上げた工事現場や、ディスカバリーチャンネルの司会者、アダム・サヴェッジなどだ。

しかし、購入が難しくてもソフトウェアに触れることはできる。2020年1月24日にボストン・ダイナミクスはSpotのSDKをGitHub上で公開し、誰でもアクセスできるようになった。これにより、一般ユーザーでもソフトウェアの開発に参画できる。

5月12日・13日にボストンで初のユーザーカンファレンス「Actuate」が行われる予定だったがコロナウイルス流行の影響で延期された。今後実施された場合、そこで最新情報が発表されるだろう。

今年から本格的にユーザー開拓に動き出したボストン・ダイナミクスだが、どんな製品を作りだすのか大変興味深い。10年以内に街中でSpotを散歩させる人も、もしかしたら出てくるかもしれない。

Source:
中部電力が電力設備における Boston Dynamics 社の「Spot」の活用に向けた実証実験をソフトバンクロボティクス、ソフトバンクと実施
土木工事現場への適用性を高めた四足歩行ロボット「Spot(スポット)」を導入