ストックマーク株式会社は7月29日、自然言語処理技術を活用した市場調査サービス「Astrategy」において、事業開発や製品開発を進める上で必要な事業環境の最新情報を自動でまとめる「事業環境レポート」のβ版を提供開始したと発表した。
本機能により、事業環境の概観の把握にかかっていた時間を大幅に短縮できるほか、AIが自動でレポートを作成、PDF化するため、情報を瞬時に他のメンバーに共有できるという。
従来の市場調査の主な課題について
知見がない領域で、新しい事業や製品を考えようとすると、主要企業はどこか、どのような製品を提供しているのか、差別化ポイントはどこか、といった基本的な情報を集めることにも時間がかかってしまう。
これまでの市場調査では、以下の3つの課題があった。
- 論点の整理:調査領域の中で、領域特有の競争軸を特定することが大変
- 情報の選定:膨大な情報から有益な情報を選ぶことが大変
- 資料の作成:調査結果を整理し、わかりやすくまとめることが大変
上記の課題に対して、人に代わりAIが回答になる情報を集め、自動でレポートを生成する機能「事業環境レポート」を開発した。
本機能により、市場調査にかかる時間を効率化し、新たな事業や製品を構想するアイデア創出や企画業務へ時間をかけられるという。
「事業環境レポート」について
本機能は、主に2つのユースケースを想定している。
- 事業開発や製品開発における特定領域の概観理解
知見がなくても、事業領域がどのような状態になっているかを一瞬で把握できるため、新規事業など新しい取り組みを検討する最初の調査が簡単に実現できる。 - 自社の事業領域の変化の把握
業界常識や先入観を払拭し、最新の情報(※)を加味して自社業界を取り巻く環境変化を認識できる。
(※)前日までの最新情報でレポート作成が可能
個人で企画を考える前や、チーム内での認識合わせの会議の前に、気になるキーワードで検索すると、事業開発や製品開発に必要な問いに対してAIが最新情報から回答を集めるという。
事業環境レポートは、2019年1月1日以降の情報から最短1日単位で期間を指定して生成できる。情報量や変化の速さに応じて、適切な期間とタイミングでレポートを出力可能だ。
事業環境レポートのイメージは以下のとおり。
【目次】
(1)市場規模:市場は全体として伸びているのか?
(2)政策動向:政府の取り組みは?
(3)技術動向:研究開発の取り組みは?
(4)自社業種動向:自社業種の取り組みは?
(5)近接業種動向:他業種の取り組みは?
(6)まとめ
開発者であるプロダクトオーナーの田中和生氏は、本サービスについて以下のようにコメントしている。
変化の激しい現代社会において、多くのお客様が一度は悩まれたこのトレードオフに直接お答えできる機能が『事業環境レポート』です。
本機能を開発する中で、いかに人が複数の情報を加味して有益な情報を選んでいるか、その整理方法をAIで汎用化することがいかに難しいことかを痛感しております。
キーワードを入力するだけで、考える前提情報が一瞬で整理される感動を、皆様にも是非体験して頂きたいと考えております。
今後も、人がどのように考えているかを科学し、『問いに対する回答精度の向上』や『より事業領域の示唆を得られる文章の生成』などを実現して参ります」
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