東北大学とストックマーク、説明可能なAIを目指す研究開始 Webメディアから知識グラフ獲得で

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ストックマーク株式会社は11月から、東北大学大学院情報科学研究科 乾研究室とともに、ニュースなどのWebメディアから得た情報を知識グラフ(ナレッジグラフ)として獲得し、それらの情報のビジネス課題解決における有用性を示すことを目的とする共同研究を開始した。

今回の共同研究では、ビジネスにおける重要な情報を知識グラフとして獲得し、それを活用することで、従来の「単語」を中心としていた情報検索・集約サービスを「知識」をベースにして高精度化する。結果の理由説明などに知識グラフを活用することで、説明能力の高いサービスの礎になることを目指す。

近年、機械学習を活用した自然言語処理技術サービスが広く普及している。ストックマークは米Googleが開発した自然言語処理モデル「BERT」を中心とする、ディープラーニング(深層学習)を活用したビジネスニュースの活用サービス「Anews」「Astrategy」を展開。2021年6月28日には『BERTによる自然言語処理入門』(オーム社)の出版も手がけた。

一方で、乾研究室は長年に渡るドキュメントの構造化や知識の獲得とその利用において広い知見を持ち、「言葉がわかるとはどういうことか」など、人間の知的な情報伝達、情報分析を支援するソフトウェアを構築する工学的研究を実施している。

そこで、ストックマークと乾研究室は「ニュースなどのWebメディアからビジネスに有用な知的な情報とは何か」、またそれらを獲得、活用するための「ビジネス分野で有用な知識グラフの獲得とその利用」に関する共同研究を実施することで、情報活用サービスにおける技術の飛躍と説明可能なAI(XAI)を目指す。

ストックマーク株式会社 取締役 CTOの有馬幸介氏は「ビジネスにおける情報収集においては、良質な情報に巡り会うだけでなく『なぜその情報が良質なのか』という点が説明可能であるということも、情報を活用した説得力ある企画等を立案する上で重要となってきます」とコメント。

「我々が培ってきたビジネステキスト領域での深層学習アプリケーションの知見に、乾研究室の最先端の知識グラフ等の知見を掛け合わせることで、情報に説明可能性を付加し、産業界における情報収集業務全般の高度化に貢献できるサービスを提供していきたいと考えております」(有馬氏)

東北大学大学院情報科学研究科 乾研究室 乾健太郎教授は「知識グラフは多様な知識を計算機利用可能な形に構造化して保持するデータベースです。説明可能なAIの実現に寄与すると考えられますが、登録知識の網羅性の確保や次々に入ってくる新情報への追従が難しいという課題があります」と話す。

「これに対し東北大学では、知識グラフと言語データの融合処理によって知識獲得・推論を高度化し、知識を説明に繋げる研究を進めてきました。本共同研究を通じてビジネス領域への展開を模索する中で基盤研究にも奥行きのある示唆的なフィードバックが得られるものと期待しています」(乾氏)