2008年にアメリカで設立されたTaskUsは、デジタルサービスのアウトソーシングと次世代のカスタマーエクスペリエンス (CX)を提供し、クライアントのブランドの表現、保護、成長を支援している企業です。ソーシャルメディア、Eコマース、ゲーム、ストリーミングメディア、フードデリバリー、ライドシェアリング、ハイテク、ヘルステック、フィンテックなどの急成長する業界のクライアントにサービスを提供しています。
2021年6月にIPOを果たし、NASDAQに上場しています。業態の拡大とともに、スタッフ数や拠点数も拡大し、2022年9月末現在、米国、フィリピン、インド、日本など14カ国、28拠点で約48,000人以上の従業員が活躍しています。加えて、TaskVerseシステムを通じて、世界中の7万人以上のフリーランサーと連携しています。
2022年に本格的に日本へ進出し、ますます成長を続けるTaskUsが力を入れているサービスの一つが自動運転システム等を支援するAIサービスです。
AIシステムの開発段階でのデータニーズから、本番運用時のリアルタイムサポートまで、一貫して対応しています。学習データは、テキスト、画像、動画、音声などあらゆるデータの収集及びアノテーションサービスを提供しています。これまでの経験やノウハウを活かし、クライアントのオペレーションやAI開発のニーズを効果的にサポートするために適切なチームを構築しています。
世界有数のフードデリバリー企業やテクノロジー企業、世界トップクラスの自動運転車メーカーが主要顧客として名を連ねています。
次のセクションでは、TaskUsがどのように自動運転システムをサポートしているのか、そのソリューションについて紹介します。
自動運転システムのためのソリューション
いま世界中の大企業が競って開発を進めている自動運転車分野では、より優れたAIの開発が欠かせません。世界中のどこの道路でも、どんな状況であっても安全に走行するために、走行中に遭遇する可能性のあるあらゆる物体をAIが正しく認識する必要があります。そして、判断した情報をもとに、瞬時に正しい判断を下すことも求められます。
TaskUsでは、自動運転を可能にするAIの開発に取り組む企業に対して、各開発の各段階で以下のような支援を行っています。
研究ステージ
研究段階でのアノテーションやデータ収集サービスを提供しています。アノテーションは、AIが外界を正しく判断するための基本的な作業です。
自動運転車がカメラやIoTセンサーで得た外界の情報に正しく反応するには、その情報が何を意味するかを正しく判断しなければなりません。例えば、前方で走っている物体は自転車なのか?それとも歩行者なのか、犬や猫なのか?その判別の制度によって、その後に取る行動の正当性の評価が大きく影響されます。
アノテーション作業の効率や結果の精度を大きく左右する各種データ(音声・動画・画像など)の収集から支援しています。加えて、バウンディングボックス(2D)アノテーション、キューボイド(3D)アノテーション、LiDAR(Light Detection And Ranging)データを使用したアノテーション、ポリゴンアノテーション、セマンティックセグメンテーションなど、シーンや要件に合わせた高度なアノテーションサービスを提供しています。
また、これらのニーズに応えるためには、安全な環境を整え、大量かつ複雑な作業への対応が必要になります。これらの要件を満たすために、適切なトレーニングを受けた1,800人以上の従業員が、TaskUsオフィス内のセキュア環境下でアノテーションを実施しています。
開発ステージ
開発フェーズでは、Human in the loop(人間参加型)の機械学習開発において、クライアントをバックアップすることができます。例えば、AIの精度が予想より低かった場合、適切なアノテーターがデータを確認し、必要に応じてさらにアノテーションを行い修正します。3Dマッピングでは、対象地域全体で1000人以上のオンサイトまたはリモートアノテーターを育成し、インチ単位の精度と高い環境適合性を実現した実績があります。必要な人材を選定し、適切なトレーニングを行うことができるのもTaskUsの強みの一つです。
開発支援では、自動運転車のカメラやLiDARのログに対して、インシデント対応の優先順位付け(トリアージ)や根本原因の推定を行うことができます。また、3Dシミュレーションやカメラログを活用した実走行シナリオのカタログ構築、キュレーション、メンテナンスにも対応しています。
実績の一例を挙げると、実用段階にあるシステムを運用している世界トップクラスの自動運転車メーカーと2017年から協業しており、現在では、このLiDARアノテーションプロジェクトの専任アノテータは1,800人に達し、以下のような素晴らしい実績を残しています。
品質保証 115%(目標90%)
正解率 98%(目標90%)
一日一人あたりの完了件数 24件(目標20件)
本番環境
自動運転車のテスト走行におけるリアルタイム、かつリモートでのフリート・コントロールサービスを提供しています。各車両の性能と走行状況をモニタリングし、複雑なテスト状況下でも適切な支援を行えます。このサービスは、プロジェクトへの参加資格を得るために空間認識、ディテールオリエンテーション、ゲームの視点等を含む特別なトレーニングを最低12週間受けた、フリート・レスポンス・スペシャリストたちによって支えられています。
例えば、交差点で信号情報の精度に問題があった場合、専任のフリート・レスポンス・スペシャリストが、遠隔で状況を確認し、数秒以内に適切なフィードバックを返答します。必要であれば、彼らが遠隔で運転することも可能です。
これまでTaskUsがサポートした実走行距離及びシミュレーション走行距離は、200億マイル(321億㎞)を超えています。さらに、フリートレスポンスの正確さは92%、衝突警報への対応率は99%とその高い品質からもTaskUsが選ばれている理由が伺えます。
なぜ自動運転開発に人間のサポートが必要なのか?
現在、自動運転の開発は企業施設内のテストコースにとどまらず、世界中のあらゆる道路状況への対応を検証する段階に入っています。その国特有の交通事情や道路マナーなどをスムーズにローカライズすることが求められています。そこで、グローバル人材をシームレスに活用するというTaskUsの企業バリューがますます効果を発揮するでしょう。
世界中の人々のリソースを活用する必要がある、本番環境でのAIのアノテーションをサポートしてほしいなどのニーズがある方や、TaskUsのAIサービスについてより詳しく知りたい方は、ぜひお問い合わせフォームをご確認ください。
日本発のスタートアップ企業やグローバル企業の皆さまに、TaskUs Japanを窓口とし、その経験やノウハウ、多様な人材を活用していただきたいと心から願っています。