今のテクノロジーは“序章”に過ぎない。無人レジが教えてくれるAIありきのライフスタイル

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Amazon Goを筆頭に、Standard Marketなど、数々の無人レジがオープンしている。国内でも同様に、JR赤羽駅や九州工業大にAI無人店舗が設置され実証実験が開始されるなど、無人レジ化の動きが活発だ。

既存のテクノロジーがAIでアップデートされることで、我々のライフスタイルはどのような変化を遂げるのか。無人レジ化の動きに、ヒントが詰まっている。

AIに仕事が代替されることで生まれる、クリエイティブな仕事とは何か

「トライアル Quick 大野城店」は、2018年12月13日にオープンし、複数の最先端技術が導入された小売店だ。

ショーケースに内蔵されたカメラの画像から、パナソニック独自のDeepLearning技術により、商品の在庫状態や商品に対するユーザーの行動や年齢・性別などの属性を自動的に認識できる「AI冷蔵ショーケース」が設置されている。これにより、POSデータでは得られなかった「非購買データ」などが取得可能だ。

AIにより非購買データが取得できるようになったが、データがあるだけでは何も意味はない。そのデータを、客単価、来客数の向上などに役立てる必要がある

「AIに仕事が代替されることで、人間はよりクリエイティブな仕事をすべき」という発言を頻繁に耳にするが、データ活用こそ、クリエイティブな仕事と言えるだろう。AIでどのデータを取得し、何に使うのかは、人がコントロールする。データを活用し、よりサイエンティフィックに事業を作っていくことこそ、今求められる最もクリエイティブな仕事の1つだろう。

今“便利だ”と思う製品やテクノロジーは、序章に過ぎない

トライアル Quickは、日本初の夜間無人店舗としても注目されている。入り口でQRコード、プリペイドカードをかざすことで入店が可能。有人レジを無くし、全てセルフレジにて決済が行われる。

セルフレジは、人件費の削減が期待できるとされ、多くの小売店に導入されている一方で、「セルフレジは自分で商品をスキャンする必要があるので少し面倒」という声もある。

「セルフレジの利用」に関する調査では、利用経験者は全体の約6割、セルフレジを毎回利用するユーザーは1割弱と、課題も多くありそうだ。

たしかにセルフレジは、商品一つひとつをスキャンし、客自身で袋詰めを行うなど、ユーザーの負担が多い。“無人レジ”は、「ユーザーが店に入り、商品を取り、店を出るだけで決済が終了する」が真の姿といえるだろう。ユーザーの手間を極限まで減らし、いかにわかりやすい仕組みにするかが重要になる。

究極的には、もはやスーパーで商品を探して購入すること自体不要になるかもしれない。商品はVR上でチェックし、インターネット上で購入し、ロボットにより袋詰された商品を取りに行くという、さまざまなテクノロジーが融合した購買の形が想像できる。野菜の鮮度などはどうチェックするのか? という課題もあるが、もはやAIにより数値化され、直接確認する必要すらなくなってくるだろう。

まだまだマシンラーニングやディープラーニングなどのテクノロジーが要求される精度に追いついていなくとも、既存の業務や製品が、AIによってアップデートされる日は近い。現に、AIによって代替されている業務も少なくない。

今、我々が“便利だ”と思っている製品やテクノロジーは、まだ序章に過ぎないことを、「AI」によって今後さらに思い知らされるだろう。

すべてが自分に最適化された未来は到来するのか?

同店では、店舗内に設置されたAI搭載カメラが取得したデータをもとに、デジタルサイネージによるクーポン配信も行われている。

取得したデータをもとにした広告の最適化は今後、1つのプラットフォームに限られない形を取るだろう。電車の広告からテレビCM、街中でふと見かける看板もすべてデジタル化され、個人に最適化された広告がいたるところで配信される未来にも期待できる。

私たちが何気なく生活している間にも、テクノロジーは日常に実装され始めており、数年後の「AIありきのライフスタイル」の想像も容易になっている。