米Googleは、GoogleDevelopersにて、「TensorFlow 1.5」を公開しました。
今回のアップデートにより可能になったのは以下の項目。
- Eager Execution for TensorFlowが利用可能に
- TensorFlow Liteの登場
- GPUアクセラレーション対応の強化
モバイル対応した「TensorFlow Lite」。まさかのiOSとAndoroid両対応
なかでも注目すべきなのは、やはりモバイル対応。
TensorFlow 1.5に組み込まれた「TensorFlow Lite」(現在、開発者プレビュー版)は、軽量版のモバイル向けソリューションとなっています。
なぜ、「モバイル向けのライブラリ」を出したかというと、
- 通常のモデルをモバイル機器に入れると、処理速度がかかりすぎる
- クラウドだと、実行速度が通信環境に左右される
- データをネットにあげたくないユーザーへの配慮
といった問題があったからです。
※AIのコンピューティングが、クラウドだけだと困る理由は下記記事をごらんください。
> 「御社、まだクラウドAIだけですか?Microsoft, NVIDIAも注力してる“エッジコンピューティング”まとめ」
「TensorFlow Lite」を利用することで、学習済み「TensorFlow」モデルをモバイルデバイス上で快適に実行することが可能になりました。なんと、対応デバイスはiOSとAndroidの両方で使えるそうです。
業界全体で進むモバイル対応・エッジコンピューティングの波
「TensorFlow Lite」の登場により、AIのモバイル組み込みは一気に加速すること間違いなし。
たとえば先日、facebookリサーチもモバイルデバイス向けに最適化したモデル「Mask R-CNN2Go」を発表していますし、この流れは、業界全体で進みそうです。
とくに、今回のニュースはアプリ開発者にとって大きなインパクトになったのでは。今後AIを搭載したアプリがぞくぞく出てきそう。TensorFlowのアップデートにはもちろん、今後のアプリ業界の動きにも注目です。