VRとAIで “人の本質” を見抜く。イスラエル発、全く新しい人材発掘のカタチ

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2019年2月13日、株式会社レッジは日本最大級のビジネスAIカンファレンス『THE AI 3rd』を開催。「AI時代の適者生存 ── 生まれ変わるために“今”すべきこと」をテーマに、業種や産業を跨いだAI、ディープラーニングの活用事例が業界のトップランナーにより語られました。

「イスラエルのAI/VRスタートアップ発最強の人材発掘法」と題して講演した海老原憲氏は、VRとAIを活用した全く新しい人材発掘の可能性を語りました。





海老原 憲氏
株式会社JSOL 新規事業開発チーム イスラエル地域推進リーダー
大手総合商社で金属取引から社会人生活開始。2000年のITバブルを機にIT業界に転じ、以後、スタートアップ、オーナー系中堅企業、フリーランスとして活動。2018年より株式会社JSOLにてAIを活用した新規事業の立ち上げと、海外スタートアップ連携に従事。

人材発掘の問題点をAIで解決する

海老原氏は、はじめにイスラエル発のVRとAIを活用した人材発掘法との出会いを語りました。

――海老原
「今日紹介する人材発掘法を知る前、部署内では新たなビジネスモデルとして、面接にAIを活用できないかという話をしていました。

実は、私は正社員のころリクルーターをしたことがあり、その頃から採用はもっと効率があげられると感じていました。そして、その後フリーランスとして何度も最初に面談をするわけですが、全然変わってないと思っていたところだったんです。

ちょうどその折に、日本・イスラエル ビジネスマッチングイベント(JIIN)で、イスラエルのスタートアップActiViewの開発したVRアセスメント『ASSENSE』に出会いました」

さらに海老原氏は、面接に限らず現在の人材発掘の問題点まで深掘ります。

――海老原
テストはできるのに仕事ができないという話を実際に体験されたりしたことのある方は多いかと思います。心理学者の間では、その要因がコンピテンシーの中央に位置する人の人格や性格といった特性動因を評価できていないためだという共通認識があるそうです」

これまでのwebテストや筆記試験を用いた人材発掘では、コンピテンシーの外側に位置する人のスキル・知識へ焦点が当てられており、コンピテンシーの中央に位置する人格や性格の評価というのは難しいものがあったんだとか。

――海老原
「現在も性格診断などはありますが、結果を予期して本心とは異なる求められていそうな回答を選ぶことが可能なことは皆さんもご体験済み(笑)かと思いますが、本質を偽ることができてしまいます。

ASSENSEは、入社試験などでよく利用されるペーパー、もしくはWebの総合適性検査のVR版ではありません。人の本質を見抜けないという、人材発掘の課題を解決できます」

AIとVRを組み合わせた「ASSENSE」は、人の本質を評価する

講演では、ASSENSEの利用シーンも紹介されました。以下の動画は製造元のActiView社が作成した、ASSENSEを使用していている様子。

VR空間上のドラマ内での出来事に対応したり、VR空間内に散らばった風船を割ったり、散らばったブロックを組み合わせて新たな立体を作ったりと、まるでゲームのようです。

ASSENSEはVRとAIを組み合わせたシステムで、VR体験中の人の動きを90分の1秒ごとに座標データとして取得。データはAIで処理され、学習済みの心理学者の行動分析結果と照合することで、内気・大雑把などの性格や認知能力などが判断される仕組みです。

出来事に対するリアクションの仕方・大きさや、ブロックを組み合わせた後元の場所に戻すか否かなど、何気ない細かな行動も分析の対象となるそう。

――海老原
「人がゲーム感覚で自然に楽しむだけで、その人の本質を見抜いてしまうため、嘘のつきようがありません。開発元のActiView所属の心理学博士によると、紙媒体のテストでは人物鑑定の精度が50%程度であるのに対し、ASSENSEではVRとAIを用いることで、精度が80%程度まで向上するそうです」

また、ASSENSEの長所は人の本質を評価できることだけではないとか。

――海老原
「システムなのでアセスメント品質が標準化できますし、AIを用いることで分析スピードが飛躍的に向上します。ASSENSEならば、現状は24時間以内のコミットメントで実際は数時間というレベルですが、データがたまれば数分で結果を得ることも不可能ではありません」

得た分析結果を活用し、多くの人が働きやすい社会へ

海老原氏は、ASSENSEで得られた分析結果の活用例として、JSOL社内で行なっている取り組みも紹介しました。

――海老原
「自発的・消極的・現場向き・管理職向きなど、人の特性はさまざまです。ASSENSEで得られた分析結果を活用することで、こうした個人の特性に合わせた業務設計が可能だと考えています」

さらに現在、個人単体の本質を見抜くだけでなく、他人との関係を踏まえた個人特性を見抜く仕組みを製品化を目指して開発しており、協力企業を募集中だといいます。

――海老原
「上司と部下の反りが合わないと、双方にとってストレスが溜まり仕事のパフォーマンスも低下するでしょう。上司と部下の組み合わせを複数パターンシミュレーションすることで、より相性の良いペアを見つけてパフォーマンスの向上をはかることや、相性の悪い組み合わせを避け、退職を予防することができると考えています。

ASSENSEで得られた分析結果を活用した適材適所の配置により、個人・集団のパフォーマンスが向上し、働きやすい環境をつくれると思います」

ASSENSEは現在、イスラエル内では7社1組織で採用済みで、 アメリカ・イギリスを中心に複数の国で展開中です。日本語版は、4月より正式発売予定。体験も実施しており、一般無料体験は3月末まで。4月以降は必要に応じて個別対応とのこと。

ASSENSEによる人の本質を見抜く人材発掘や、社内での適材適所の配置は、個人・集団のモチベーションやパフォーマンスを向上させ、企業に大きな推進力をもたらすかもしれません。

本講演資料は下記からダウンロード可能

株式会社JSOLの講演資料は、下記からダウンロード可能です。