AIシステムはチームプレイヤーに。Cogent Labsが語るAI統合の可能性

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1月31日にLedge.aiが六本木アカデミーヒルズにて開催した、『The AI 2018』

『The AI』とは
The AIとは、株式会社レッジ主催の、”今のAIを語る”大規模AIカンファレンスです。AIが世の中をこう変える、ビジネスを進化させるなどの抽象的な未来な話ではなく、具体的なコストは? 具体的に何ができるのか? など、今のAIを知る名だたる企業が登壇する大規模イベントです。
>> The AIの詳細はこちら

名だたる企業に、現場でのAI活用をテーマに講演していただきました。

本記事では、株式会社Cogent Labsによるセッション、「コージェントラボのAI研究とビジネスの接合」をレポート。講演の内容を前半後半にわけ、今回は前半のDavid Malkin氏の講演内容をお伝えします。

David Malkin, Ph.D.
株式会社 Cogent Labs / AIアーキテクト
ユニバーシティ カレッジ ロンドン 機械学習 修士号及び博士号保持、さまざまなディープラーニングプロジェクトを経験。

AIは「脳」である。複数のシステムが影響し合って生まれるシナジー効果

――David Malkin
「AIはいわば、人間の脳です。脳の構造と同じように、それぞれのAIシステムが相互に影響を与えながら統合していき、新しい価値を生み出していきます。」

David Malkin氏が語るのはAIシステム統合の可能性。AIは今後単一の効果だけではなく、互いに影響しあうことで新しい価値を生み出すのだとか。

――David Malkin
「これから紹介する2つの技術がかけ合わされば、データ化されていないような膨大な情報をデータとして取り込むことができ、それを構造化して簡単に管理できます。

そしてこれを用いることで、生産性が大幅に上がるのです。」

それぞれ違う機能を持ったAIシステムを、一つの目的のために掛け合わせて運用することがもたらすシナジー効果はとてつもなく大きそうですよね。

まずはそれらの事例を紹介していきましょう。

AIでデータになってない情報をサクッとデータ化する「Tegaki」

最初はかつてLedge.aiでも紹介してきた、手書き文字認識サービス「Tegaki」

――David Malkin
「Tegakiは誰にでも簡単に使えるサービスです。言語として非常に読み取りの難しいとされる日本語も『Tegaki』にかかれば、99%以上の精度で手書き文字を認識することができます。」

99%以上の精度というのは、機械学習の分野では驚異的な数値。

アンケートや申し込み用紙など、手書きベースで管理していた資料をデータ化するには、とてつもない工数がかかっていました。この部分をAIで効率化できる、今の時代に必要なサービスです。

――David Malkin
「開発当初は90%程度の認識率だったのですが、このシステムを継続的に運用し、学習させていくことで、今やこの精度を実現するまでになりました。」

機械学習の素晴らしいところは、精度がだんだんと上がっていくこと。100%というのは理論上難しいとしても、これだけの精度を日本語のような難しい言語で実現したのは改めて驚きですよね。

情報を構造化して一括管理。AI文書検索システム「Kaidoku」

続いては、自然言語処理エンジン「Kaidoku」

――David Malkin
「従来は業務で用いる目的のデータを膨大な非構造データから探し当てることに時間を大きく取られてしまっていました。
この『Kaidoku』はさまざまな形式のテキストを分類、検索、可視化できます。これにより、部署間で横断的にテキストデータを連携したり、情報検索の手間が格段に省けます。」

社内に溜まった膨大なデータから目当ての情報を探し当てるのは非常に面倒。これを「Kaidoku」が簡略化してくれると、大幅に生産性を上げることができるのだそう。
以下の画像はクラスター分析の結果、データを構造化したものです。

――David Malkin
「クラスター分析で情報が分類され、情報の類似性、関係度合いを可視化しています。
このクラスターをみれば、社内にどのような情報がどの程度あるのかというのが一目でわかるようになっています。」

これを用いればデータの所在、特徴、傾向など一目瞭然。データ検索に四苦八苦していた企業も導入すれば、企業内で横断的にテキストデータの管理ができますよね。

今後は膨大なデータを管理できるという面で、法律の分野などでも新しく活躍できそうな技術です。

AIシステムが統合したその先。「Tegaki」と「Kaidoku」が生み出す新たな価値

――David Malkin
「我々のプロダクトでは、『Tegaki』によって読み取った手書きベースのデータを『Kaidoku』で構造化できるようにすることできるようになりました。

これが我々が言うところのAIシステムの統合です。

こうしてAIはチームプレイヤーとなって、それを使う人間の作業を効率化しています。」

「Tegaki」と「Kaidoku」がかけ合わさることによって、手書きで管理されてた活用するにもできなかった情報群が、データとして簡単に閲覧できるようになりました。

まだまだ手書き文化の濃い日本企業では、デジタルシフトの際に重宝されそうな事例ですよね。

こうしたAIシステムの統合のその先を目指し、研究はまだまだ続いていくのだとか。

――David Malkin
「今後はシステムが自動で企業を運営していくというフェーズになってくるでしょう。
そのためにはまだまだ研究が足りません。

我々Cogent LabsはAIシステムの統合に取り組むことで、その未来に向けて研究を進めていきます。」

優秀な人材が集まるCogent Labsだからこそ、未来の経営への展望があるのですね。

今後未来では統合されたAIシステムが活躍していき、とうとう企業経営全てを担うところまでくるのかもしれませんね。

記事はDavid Cournapeau氏の講演レポートに続きます。