AIを作る場所 東京ではなく滋賀を選んだ理由は琵琶湖にあった

このエントリーをはてなブックマークに追加

【PR】この記事は株式会社tiwakiのスポンサードコンテンツです。

AIを作る企業の多くは東京をはじめ、首都圏に集中している。しかし、あえて東京を選ばずに滋賀県に拠点を構える企業がある。

株式会社tiwakiは、2016年4月に設立した機械学習・画像認識コア技術を創出するAI企業だ。所在地は滋賀県草津市野路東の立命館大学びわ湖キャンパス(BKC)の中。そこは、日本のマザーレイクと呼ばれる琵琶湖から10km程度の場所だ。

社名のtiwakiは「知恵は琵琶湖から湧きます」から名付けられた。なぜ琵琶湖からほど近い場所でAI企業を作ったのか、どういったAI技術を作っているのか。tiwakiの代表取締役社長 阮翔(ゲンショウ)氏に話を聞いた。

>> 株式会社tiwaki

掲げるのは「誰もが自分のためになるAIを作ること」

まず、阮翔氏はtiwakiで取り組んでいるAI技術について次のように話した。

――阮翔
「現在、AIは自動運転や検索エンジン、音声認識、データ分析など、さまざまな分野で活用が進んでいます。しかし、これらのAIは、高度な技術者やコンピューターリソース、ビッグデータがなければ実現できません。

そこで、私たちtiwakiでは、『誰でも簡単に自分のためになるAIを作る』ことを目標に掲げ、まだ誰もAIを活用したことのない分野で共有するAIエコシステムの形成を目指しています」

tiwakiが掲げるAIエコシステムとはどういうものなのだろうか。その形成には、2種類の技術が必要になると言う。

――阮翔
「ひとつは、さまざまな分野で展開可能な小型で高速で高精度なAI基礎技術。もうひとつは、AI基礎技術をさまざまなソフトウェアやハードウェアと組み合わせ、より市場に展開しやすい形にするための応用技術です。

このふたつを組み合わせることで、tiwakiは今までにない新しい価値を生み出していきます。

また、AIに何か付加価値などをプラスし、新しい価値を生み出すことに、私たちは『AI++』と名付けて呼んでいます」

そしてtiwakiでは、AI++を構成する基礎技術としてふたつ、応用技術としてふたつの技術があり、合計4つの技術を提供している。

――阮翔
「AI++を構成する基礎技術には、物体を登録するだけでその物体の検出・認識を可能にする技術である『Onmyoji』、事前の学習(Pre-train)が必要のない、高速で軽量かつ高性能な深層学習技術として『Furinkazan』を提供しています。

また、応用技術については、水中のさまざまな問題を解決するため、世界初となるアンダーウォーターAIプラットフォームの構築を目指している『Wadatsumi』、すべてのものを「タッチパネル」に変身させるAR技術を使う『Yoichi』がございます」

Onmyojiは、機械学習による画像認識と異なり、認識対象の学習を必要としない画像認識技術だ

Furinkazanは、AI++基礎技術のうち深層学習の中核をなす技術。エッジコンピューティングを実現可能とするべく開発され、主流の深層学習技術より、高速、小型、高精度という特徴を持つ

Yoichiは、世界初のユーザインターフェース技術だ。Yoichiのカメラの視界の中の、レーザーポインターまたは指のタッチ動作の位置を瞬時に検出する

Wadatsumiは、tiwakiのAI++の応用技術のひとつ。tiwakiでは2019年度にスタートしたアンダーウォーターソリューション事業で収集されるビッグデータを活用し、水中のさまざまな問題を解決していくために世界初のアンダーウォーターAIプラットフォームの構築を進めている

平均10年以上の機械学習や画像認識の研究開発経験を持つメンバー

大小さまざまな規模のAI企業は存在しているが、tiwakiのように異なるジャンル・活用方法への技術を提供する企業は多くはない。

――阮翔
「AI++を構成する4種類の技術を提供できるのも、優秀なメンバーが在籍しているからこそできたのだと思っています。

『多国籍のグローバル部隊』を目指したということもありますが、平均10年以上の機械学習や画像認識の研究開発経験を持つメンバーが在籍していることが大きいです。これはつまり、アルゴリズムへの深い理解を意味しています。

また、物理・機械・組み込みなど、他分野のバックグラウンドを持つ技術者がいるため、広く普及しつつある画像認識分野への技術はもちろん、世界で初となるアンダーウォーターAIプラットフォームの構築にも挑戦できています」

さまざまな分野で豊富な経験を持つAI人材が多数在籍していることに引き寄せられ、若手成長の土壌も築かれているのもtiwakiの特徴だそうだ。

――阮翔
「20代の若手社員がいるのですが、その社員に入社理由を聞いたところ、『最先端のテクノロジーの開発に携わりたかった』『自由度の高い環境で仕事をしたかった』『滋賀県からAIのトップ企業が生まれることにワクワクした』『滋賀県発のトップAI企業になるために自分も貢献したいと思った』と言ってくれたのです。

この若手社員は、滋賀県出身で慶応大学を卒業しています。一度は大学のために東京に行ったものの、滋賀県に戻ってきたんです。

tiwakiには先にお話したとおり、経験豊富なメンバーがいることも大きなポイントではありますが、滋賀県に本拠地を構えたのも良い出会いのきっかけになったのかもしれません」

滋賀県の形は「シリコンバレー」に似ている

紹介いただいた若手社員の入社のきっかけは、滋賀県のAI企業、ということだが、そもそもなぜ滋賀県に本拠地を構えることにしたのだろうか。

――阮翔
「ハイテク産業は現状、東京に集約されています。ですが、ことソフトウェア産業においては、自然があふれる場所だとしても人材さえそろえば開発できます。

そのなかで滋賀県は、動物と自然が多く、文化的にも成熟していると考えています。また、他県へのアクセスも良好で、京都まで20分、大阪まで40分程度の距離です。

そのため、京都大学や大阪大学も近いため、滋賀県という場所は人材獲得には困らない環境なのです」

立地的な面はもちろんのこと、滋賀県について阮翔氏は「形」もポイントだと言う。

――阮翔
「滋賀県は、細長く、海が長く、人があまり多くはない場所です。この形は、シリコンバレーに似ていると感じました。

京都や大阪へのアクセスが良好なこと、自然豊かな環境であることなどを鑑みてベストだと判断し、滋賀県を拠点に活動しています」

たしかに、首都圏には多くの人材や技術が集まってはいるが、自然あふれる環境はなかなか実現することが難しい。実際、tiwakiの提供する技術にもあるアンダーウォーターAIプラットフォームの構築も、滋賀県という場所だからこそ着手できたのかもしれない。

――阮翔
「我々が目標に掲げる『誰でも簡単に自分のためになるAIを作る』を達成するには、働く我々自身が働きやすい環境にいることが重要だと考えました。

たしかに、多くの人材が集い、そろっている首都圏も魅力的ではあります。ですが、琵琶湖のように日本国内においても非常に大きなシンボルもあり、先に話したように京都や大阪へのアクセスも良く、自然豊かな環境のある滋賀県が我々の掲げる目標を達成するうえで最適だと思っています」

目指すのは「AIの民主化」と「イノベーションハブの実現」

AI++を掲げ、基礎と応用で合わせて4種類の技術を提供するtiwakiは、今後どういったことを狙っているのか。取材の最後に阮翔氏に聞いた。

――阮翔
「まず、最も実現したいことは『AIの民主化』です。要するに、誰もが使いやすいAIを提供できるようになりたいです。

事前の学習の手間がかからないOnmyojiやFurinkazanによる、画像認識や深層学習技術をより多くの企業に提供することで、AIをもっと身近な存在だと認識してもらえるような世の中にしていきたいですね」

また、阮翔氏はtiwakiならではのグローバルな人材を持つ企業として、世界に羽ばたく構想も練っているそうだ。

――阮翔
「技術的な面でお話すると、tiwakiをアジアには数少ない“Pure”の技術ドリブル会社に成長させていきたいです。

幸い、tiwakiには豊富な経験と向上心の高いメンバーがそろっているため、“使いやすい技術”の開発には日々近づけていると感じています。

tiwakiでは今後も国内で最高のAI技術開発チームを築き続け、琵琶湖から世界をよりよくする技術を発信していきたいです」

そして、首都圏でなくともでもグローバルな最先端の人材が集まる環境の土台形成のパイオニアになることも目指していると言う。

――阮翔
「いま、日本と言う国では、どうしても首都圏に人が集まるため、地方から新たな技術は生まれづらかったり、発信しづらかったりする場面があります。しかし、tiwakiのように、世界中から最先端技術に精通している技術者を集めることは可能です。

いま、日本は首都圏に一極集中する状況から変わりつつあります。そうしたとき、我々ができるのは、立地を含め、働きやすい場所こそが世の中に役立つ技術開発の最適な環境であることの証明です。

いずれは、tiwakiとしてイノベーションハブを実現するように、このパイオニアになっていきたいです」