東映、アニメの背景美術の制作をAIで効率化 前処理の時間が従来の約6分の1に

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画像は背景美術制作ツールScenifyのAdobe Photoshop用ユーザーインターフェース(UI)



東映アニメーション株式会社と株式会社Preferred Networks(PFN)は3月12日、アニメの映像制作に、人工知能(AI)におけるディープラーニング(深層学習)による画像変換技術、セグメンテーション技術などを活用する取り組みを共同で実施すると発表した。

素材写真

Scenifyによる変換結果(アニメ調)


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東映アニメ美術スタッフによる最終レタッチ結果(サイバーパンク調)

今回、本取り組みの一環として、東映アニメーションで背景美術を制作している製作部 美術課、AI活用に取り組むデジタル映像部 テクノロジー開発推進室、東映アニメの新規IP研究開発チーム「PEROs」が連携。2020年2月に公開した長崎県の佐世保市を舞台にする約5分間の実験映像『URVAN(ウルヴァン)』の背景美術制作に、PFNが開発しているアニメの背景美術制作支援ツール「Scenify(シーニファイ)を活用した。

実験映像作品『URVAN』におけるScenifyを利用した背景美術制作の例

同作品では、実在する佐世保の風景をアニメ調・サイバーパンク調の2つの画風で表現した。現地で実際に撮影された風景写真から、Scenifyでアニメ調の背景素材に自動変換することで、美術クリエイターが画像の前処理工程に要する時間を従来の約6分の1に短縮できたという。

Scenifyは、同作品で制作した背景美術の約3分の2に使用している。本技術の活用により、美術クリエイターは作業負担・工数を削減でき、クリエイティブの自由度・振れ幅が大きいサイバーパンク調の背景制作により多くの時間を充てられたとする。

Scenifyには、背景美術の制作に必須となる、背景画像からキャラクターに接する部分・手前にくる部分(BOOK)を自動的に切り出す「BOOK分け」機能および、画像の一部を除去した後の空白を自然に塗りつぶす「スマート塗りつぶし」機能を搭載している。また、クリエイターの制作ワークフローに組み込みやすくするためのプロトタイプUIも開発した。

今後は、東映アニメーションのTVアニメおよびアニメ映画制作にScenifyを導入することを目指し、さらに機能開発を進めるという。

©東映アニメーション

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