【AI × 介護】凸版印刷が医療施設内での見守りサービスを開発。外から把握が難しい個室内の状況を検知する

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凸版印刷が、AIを活用した医療施設内での新たな見守りサービスを開発しました。介護領域でのAI導入が進みます。

介護報酬改定により見守り機器需要は増加するも、導入への障壁が存在

2018年、介護報酬の改定がありました。これは見守り機器を導入することで、関連施設の夜間駐在の人員削減を可能にするもの。この介護報酬改定を受け、医療施設における見守り機器の需要が増えています。

しかし、医療施設ではネットワーク通信を利用した多くの機器が使用されているため、電波干渉の影響が大きく、新たな機器の導入における障壁が存在していました。

ZETAで電波干渉を減少させ、AIで高精度な見守りを可能に

今回、凸版印刷が開発したのは、医療施設内でも、特に見守りが行き届きにくい、個室における見守りサービスです。

複数のセンサーにより利用者の転倒検知などを可能にし、LPWA規格(低消費電力広域ネットワーク)ZETA(ゼタ)を活用。医療機器との電波干渉の可能性が少なく、クラウド・オンプレミスで情報を管理・確認可能な見守りサービスを実現したそう。

ZETA(ゼタ)
ZiFiSenseが開発した、超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域での分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク規格。LPWAの規格のひとつであるZETAは、中継器を多段に経由するマルチホップ形式の通信を行うことで、他のLPWAと比べ、基地局の設置を少なくでき、低コストでの運用が可能な方式として注目されている。

具体的には、医療施設の

  • トイレ
  • シャワー室
  • お風呂

などの個室内に人感センサー・開閉センサーなどを組み合わせて設置し、利用者の動きや扉の開閉状況を検知することで転倒などの利用状況を把握します。

センサーで検知した情報はクラウド、もしくはオンプレミス上に蓄積され、ナースステーションなど別の場所に設置されたPC上で確認できます。

ZETAではワイヤレス医療機器などに使用される、既存の通信帯域と異なる帯域での通信を可能にするため、診療や看護に支障をきたさず電波干渉を防ぐことができ、医療施設内での導入に適しているとのこと。

また、サービス内でAIを活用することで、センサーで蓄積された緊急時の検知パターンを学習。緊急時の早期発見や、従来外から把握が難しかった、個室内での患者の容態急変、個室の長時間利用といったインシデントにも対応できるようになります。

医療関係者の負担をどのように減らしていくか

2019年1月初旬より、医療機器の輸入・販売を手掛ける株式会社メッツ協力のもと、埼玉県総合リハビリテーションセンターの個室トイレで実証実験を開始するそう。

凸版印刷が開発する建装材とIoT技術を融合させた商品群とも連携し、将来的には個人宅や商業ビルにも展開していきます。

介護業界では、

  • 高齢化による患者の絶対数の増大
  • それによる医療関係者の負担の増大

という問題があり、医療関係者の業務の省力化、効率化は喫緊の課題。データ活用やAIの利用をできるところから始めることが求められています。

日本が逃れられない高齢化という問題に、テクノロジーでどう立ち向かうか。Ledge.aiでも今後、介護の領域においても取材をしていきます。

Source:凸版印刷、ZETAとAIで病院内施設見守り