深層学習で「竜巻」の発生場所を自動検出するシステム開発を開始――PFN、気象庁気象研究所

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12月17日、株式会社Preferred Networks(PFN)は、気象庁気象研究所が実施する「AIを用いた竜巻等突風・局地的大雨の自動予測・情報提供システムの開発」の契約先として、その中核技術となる夏季の竜巻探知技術の開発を開始したと発表。

気象研究所が提供した竜巻検知技術のイメージ。気象レーダーで観測したドップラー速度パターンから、深層学習を用いて、竜巻をもたらす可能性のある渦パターンを高精度に自動検出する(プレスリリースより)





近年、日本では竜巻発生確認数が毎年20件を超えている。自然災害リスクを減らすためにも、竜巻を素早く的確にとらえ、危険を回避するための気象予測情報は非常に重要だとされていた。しかし、ごく小さなエリアで局地的に発生する竜巻渦だけを正確に自動検出することはこれまで困難だった。なぜなら夏季の竜巻は、活発な対流を起こす積乱雲にともなって発生するため、風向きが複雑かつ多様なパターンがあったからだ。

今回PFNは、気象研究所から全国各地に設置する気象レーダーで観測した“ドップラー速度データ”の提供を受け、深層学習を用いて、どこで竜巻が発生しているかを正確かつ自動的に検出する新たな手法の開発を開始した。ドップラー速度データとは、ドップラーレーダーによって、上空の降水粒子からの反射波を用いて上空の風を観察したものだ。

竜巻検出システムは、鉄道をはじめとするさまざまな高速交通、さらには突風の影響を受けやすい分野に情報を提供することで、安全性向上につながると期待されている。

>>プレスリリース


気象とAIを掛け合わせることでさまざまなサービスが展開

PFNの竜巻発生を検出するシステムでAIが使われるが、「気象」という分野においてはさまざまな面でAIが利活用されている。

当然、防災での活用は多くの企業が取り組んでいる。今年3月には、損害保険ジャパン日本興亜が防災・減災システムを熊本市で実証を開始したと発表した。これは、米国シリコンバレーの防災スタートアップ企業のOne Concern社とウェザーニューズと共同開発したものだ。

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防災だけでなく、「需要予測」という面でも活用できるのが気象データだ。2018年にはエクサウィザーズと日本気象協会が、気象データとAIをかけあわせた需要予測サービスの開発に着手した。気象は人間の行動原理に関係するため、メーカー、卸、小売り、農業、アミューズメントパークなどさまざまな業種の企業運営に影響すると考えられているためだ。

関連記事:気象データを活用しAIで需要予測 ── エクサウィザーズと日本気象協会

個人的には、気象データをもとに、クローゼットにある服と体感温度などを加味した最適な服装をレコメンドしてくれるようなパーソナルアシスタント的なものがあるとうれしい。あったら教えてください、使うので。