東芝、生活習慣病の発症リスクを低減する提案AIを開発

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株式会社東芝は10月15日、健康診断データ、問診データ(生活習慣)、レセプト情報の解析により、生活習慣病発症リスクを低減するソリューション提案AI(人工知能)を開発したと発表。

生活習慣病リスク予測、リスク低減シミュレーション活用の流れ

2018年10月に発表した生活習慣病の発症リスク予測AIと組み合わせることで、現在の健康診断結果などから将来のリスクを予測・提示するだけではなく、リスクを下げる生活習慣改善ソリューションの提案が可能になる。

今後、ヘルスケア関連企業をはじめとするパートナー企業と共同で、食事や運動の改善メニューなどの具体的なソリューションを開発し、2021年4月のサービス開始を目指して実証試験を実施するとしている。

新型コロナにともなう健康リスクは「企業の経営にも及ぶ」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、外出する機会が減ったり、テレワークの普及で通勤の回数も減ったりして、運動不足に陥る人が増えているという。日々の活動量の減少にともなう体重増加により、生活習慣病患者の増加や高齢者の健康悪化など、健康二次被害が危惧される。

東芝は「この影響は約43兆円にも上る国民総医療費にとどまらず、企業の経営にも及びます」と指摘する。

これまでも、従業員の高齢化にともなう医療費負担の増加と労働生産性の観点から、企業ではさまざまな生活習慣病対策がとられてきた。しかし、出社することを前提とした対策が多く、移動時間の減少など新型コロナウイルス感染症がもたらす働き方に対する変化は加味されていないとのこと。

東芝はこのような状況を踏まえ、「with/afterコロナ時代では、企業が社員の健康管理にこれまで以上に取り組み、従業員自身が健康管理、生活習慣改善を行なう仕組みづくりが必要となります」と主張している。

「体重」に注目し、生活習慣病の発症リスクを低減

シミュレーション結果の画面例

東芝グループは、AI・ビッグデータ解析技術を応用して、生活習慣病の発症リスク予測AIを2018年10月に開発し、2020年7月からサービスを開始した。発症リスク予測AIにより、将来病気になる可能性を可視化し、自分自身の健康や生活習慣を見直す機会を提供するなかで、「具体的な改善提案がほしい」「どの生活習慣を改善したらいいかわからない」といった声を受けたという。

そこで東芝は、保健指導の場でも指標として使われる「体重」に注目し、生活習慣病の発症リスクを低減する改善ソリューション提案AIを開発した(特許出願中)。各疾患のリスクを下げるための体重減少目標と、体重減少を達成するための生活習慣の改善ソリューションを、数十万人分のデータにもとづいて学習したAIが提案してくれる。

AIが5年先までの発症リスクを数値で提示

生活習慣改善ソリューションの提案画面例

利用イメージは以下のとおり。

直近1回分の健康診断結果を入力すると、生活習慣病発症リスク予測AIが5年先までの発症リスクを数値で提示。その結果をもとに、体重減少目標もしくは、疾患リスク低減目標を入力すると、今回開発したAIが各目標を達成するための生活習慣改善ソリューションを提案してくれる。たとえば、「3kg体重が減少すれば、各疾患のリスクがどの程度低下するのか」がシミュレーション結果として提示される。

また、「ある疾患のリスクを10%下げるためには、体重をどの程度減らせばよいのか」といった提案も可能。どちらの場合でも、目標を達成するために必要な生活習慣の改善ソリューションをAIが提案してくれる。

さらに、あらかじめ変えたくない生活習慣項目を固定することもできるので、本人の生活リズムや価値観を尊重したシミュレーションを実現するという。医師や保健師との面談の場でのコミュニケーションツールとしても活用が期待できるとのこと。

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